コラム vol.029
2015年賃貸住宅建設市況はどう変わるのか?
~地価公示と住宅著工戸數(貸家)~
公開日:2015/02/25
ここでは、前記vol.028の內容の続編として、賃貸用住宅建設市況にフォーカスした市況予測を行いたい。
vol.028では、平成27年の地価市況の予測をおこなった。そこでは、大都市では住宅地、商業地ともに地価が上がると、予想した。
では、地価が上がると、賃貸住宅の著工數は増えるのだろうか?
図1は、1984年から昨年までの地価公示(平均値)と賃貸住宅著工戸數の前年対比の數値をグラフ化したものだ。前年対比を見ることで、増加傾向か下落傾向かが分かる。
そして、これら2つの値の相関係數を計算したところ、0.43という數字になった。相関係數については、何度か本コラムでも紹介したが、2つのデータの関係性、影響関係について判斷する基準になる。マイナス1~プラス1の間で表現され、概ね0.4以上で関係性がある、0.7以上で強い関係性があると解され、逆にマイナスになると、逆の影響を持つと解される。
2つのデータの相関係數は0.43と計算され、やや関係があるということになった。印象的には、強い関係性があるという0.7程度の數字かな、とも思っていたが、意外にもそこまでの強い関係はなかった。
しかしながら、関係性はあるということになるので、昨年並みかややそれを超える數字になるだろう。
さらには、相続稅改正に伴う、そのソリューションとしての土地活用分が上乗せされることは間違いないので、この2つを合わせると、昨年よりも賃貸住宅著工戸數は伸びると予測される。