CASE10
醫療施設
洛西シミズ病院 回復期リハビリテーションセンター
- 所在地:
- 京都府京都市
- 構造:
- 鉄骨造
- 延床面積:
- 5,269m2
- 竣工:
- 2016年4月
- 用途:
- 回復期リハビリテーション病床(100床)
京都市西京區から國道9號に沿い亀岡、南丹、福知山に至るエリアにおいて醫療?介護?福祉事業を展開されているシミズ病院グループ様。グループの中核を擔うのが、醫療法人 清仁會様です。
慢性的に回復期リハ病床が不足するという地域特性を考慮し、清仁會様では、洛西シミズ病院の敷地內に、病床と高いリハビリテーション機能を備えた新たな施設の建設を計畫されました。
計畫のポイント
敷地內のスペースを効果的に活用した施設計畫
敷地內には、洛西シミズ病院様の病棟と同法人が運営するガンマナイフセンターや介護老人保健施設が開設されており、それらの施設と効果的に連攜するため、同一敷地內にリハビリテーション病棟の建設を計畫。1階部分は既存施設と通路でつながっており、患者様やご利用者様?職員様の利便性が考慮されています。
リハビリテーションフロアをガラス張りにすることによって印象的な外観に仕上がっています。病院?ガンマナイフセンターや老健とともに、道路から高臺に立地しているため、建物からの眺望は患者様から好評です。
こだわりの詰まった充実のリハビリテーションエリア
施設づくりにおいて今回、清仁會様が最もこだわられたのがリハビリテーションエリア。「質の高いリハビリテーションの提供」への思いをカタチにすべく、4階には室內と屋外、さらに屋上にもリハビリエリアを設けられました。
スロープや石畳など、路面変化をつけた屋根付きの屋外リハビリスペースも併設されています。
近隣大學の協力による館內のカラーコーディネート
醫療を通じて、地域とのつながりを大切にしてこられた醫療法人 清仁會様。今回の回復期リハビリテーション病棟の新設にあたり、新たな試みとして、京都市立蕓術大學ビジュアルデザイン専攻の大學院生や教授をはじめご関係の方々の協力を仰ぎ、快適さを追求した內裝カラーデザインやサインデザイン等を採用されました。
館內全體に、京都市立蕓術大學の大學院生たちによる內裝カラーデザインやサインデザイン等が採用されており、木を素材としたアート作品も展示されています。
お客様の聲
グループ全體の病床を再編成
地域待望の回復期リハビリ施設を開設
シミズ病院グループ 醫療法人 清仁會
洛西シミズ病院 院長 石津 恒彥様(右)
理事?事務局長 小林 全弘様(左)
私たち醫療法人 清仁會は、「醫療と福祉の融合を進め、期待され喜ばれる醫療?求められ選ばれるケアを実踐します」を理念に、地域の醫療ニーズに応えるべく、醫療提供體制を整え活動しています。特に、脳神経外科と整形外科を得意な醫療分野とする當法人は、「シミズ病院」「洛西シミズ病院」「洛西ニュータウン病院」「亀岡シミズ病院」の4病院を中心に、「高度急性期」から「亜急性期」「回復期」「在宅」「福祉」「慢性期」「終末期」「看取り」に向けての支援まで、地域に根差した醫療?介護を一貫して提供している點が大きな特長であるといえます。
なかでも洛西シミズ病院は、京都初のニュータウンである「洛西ニュータウン」の発展に伴う地域の人口増加に応えるため、1988年に開設。當初より、地域における醫療ニーズの高かった整形外科に取り組み、さらに京都府內でも1?2を爭う脳神経外科の手術実績を持つシミズ病院との連攜で、高度急性期病床の退院後の受け入れ先として機能するなど、長きに渡り地域に貢獻してきました。
しかし、回復期リハビリテーション病床數といった物理的な規模の観點から、當法人のみならずこの洛西地區全體を見ても、大きく不足している狀態が長く続いていました。昭和51年に入居が開始された洛西ニュータウンも高齢化が進んでいます。地域の皆様の健康を思えば、100床規模の回復期リハビリテーション病棟の整備は急務でした。
今回、100床の回復期リハ病床を確保するため、各病院の病床を整理?調整。法人全體の病床を再編成することによって誕生した「洛西シミズ病院 回復期リハビリテーションセンター」は、その名の通り當法人の回復期ケアの中核となる施設です。高度なリハビリテーションの効果をより高めるために、施設計畫にはこだわりました。特に、リハビリテーションフロアの4階は、ガラス張りの明るい室內空間で開放的な気分を演出したり、ときには屋外スペースや屋上で眺望を楽しみながらと、気持ちよく在宅復帰のためのリハビリ治療を受けてもらうことを重視し、患者様の精神面にも良い効果が表れることも期待しています。
また、新たな試みとして、近隣にある京都市立蕓術大學とのコラボレーションにも取り組みました。ビジュアルデザイン専攻の教授をはじめとした大學院生たちによる內裝カラーデザインやサインデザイン等を館內の隨所に施しています。私たちがイメージしがちな醫療の現場とは異なる、斬新な雰囲気に仕上がり、とても満足しています。回復期ですから、「病院でも住まいでもない空間」になっていることが、「1日も早く自宅に戻りたい」と思っている患者様にある種の和みを提供し、高い評価をいただいております。
オープン以來、病床稼働率は順調に伸びており、法人內の他病院のみならず、地域の醫療機関からも注目度の高さを実感しています。
これにより當法人には、「高度急性期」に始まり「亜急性期」?回復期?「在宅」「福祉」「慢性期」「終末期」「看取り」に至るそれぞれの核となる施設が揃いました。醫療?介護?福祉を取り巻く環境は目まぐるしく変化し続けます。今後は地域醫療構想を見據えながら、地域の醫療?介護施設と連攜をより一層強化しながら、地域の実情を踏まえた上で法人內での大膽かつ迅速に病床區分の再編成を計畫?実行していくことが重要だと考えています。