「にほんの里100選」(2009年)に選ばれた葉山町の上山口地域。しかし、時(shí)の流れとともに趣のある風(fēng)景や文化がなくなるという危機(jī)感がありました。そこでスタートしたのが「ふるさと絵屏風(fēng)プロジェクト」です。プロジェクトを進(jìn)めてきた、ふるさと絵屏風(fēng)継承會 會長 巖澤さんと大和ハウス工業(yè) CSR部 巖橋にその想いを聞きました。
ふるさと絵屏風(fēng)とは?
地域に住む高齢者の記憶を集めて「心のふるさと」を絵にした屏風(fēng)のこと。絵屏風(fēng)を通じて、昔からの風(fēng)景や地域らしい文化?伝統(tǒng)を後世に伝えたいと願(yuàn)っています。
ふるさとへの愛著を育み 未來につなげるプロジェクト
上山口地域?隣接する木古庭(きこば)地域の里山は先代の人々が自然と共生していくために手を入れ、大切に育てられてきました。しかし、農(nóng)業(yè)の後継者不足や地域住民の高齢化にともない、休耕田が増え、手入れが行き屆かない山々が荒廃するなど、課題が山積みに。
「何かしなければ、里山や伝統(tǒng)文化がなくなってしまうという危機(jī)感がありました」(巖澤さん )。
2012年、2つの町內(nèi)會を主體に、関東學(xué)院大學(xué)の學(xué)生、大和ハウス工業(yè)との協(xié)働で、里山の文化、暮らしを未來につなぐための「ふるさと絵屏風(fēng)プロジェクト」が立ち上がりました。そして活動(dòng)は広がり、約3年で延べ1500人が関わるものに。
「立場や年齢も社會観もまったく違う人が集まるなかで、あらためて地域の生い立ちや伝統(tǒng)文化、里山の魅力を振り返ることができたのは、とても大きなこと。昔の思い出話に花を咲かせ、生き生きとしている高齢者が多くいらっしゃったのも印象的です。プロジェクトを通して、ふるさとを愛する気持ちを再確認(rèn)できした」と巖澤さんは語ります。
聞き取りを開始!
地域の高齢者に、昔を思い出す風(fēng)景や匂い、手觸りなどを聞く「五感體験アンケート」を?qū)g施。その後、五感にまつわる思い出話を聞く「聞き取り會」を?qū)g施しました。
里山を歩く
関東學(xué)院大學(xué)の學(xué)生と地域住民とで、地域の里道を歩いて回り、里山の雰囲気や匂いを體感。里山の素晴らしさに、あらためて気づくきっかけとなりました。
下絵を描く
絵屏風(fēng)の下絵となる約300枚の絵コマを描きました。學(xué)生は、地域住民から集めた昔の寫真を見ながら下絵を描き、わからないことは地域の人に聞きます。
絵師が裝飾
地域に住む絵師3人が、風(fēng)景、動(dòng)植物、人などと分擔(dān)し、表裝された和紙に絵を描きました。白黒の下絵では表現(xiàn)できなかった色を再現(xiàn)するため、あらためて調(diào)査が必要でした。
完成!お披露目式
2015年4月に絵が完成。その後、完成した絵屏風(fēng)がお披露目されました。地域住民の方々は絵屏風(fēng)を見ながら懐かしい里山の風(fēng)景、暮らしを思い出し、昔話に花を咲かせていました。
自然と人とのつながりを後世に伝えていく
完成した絵屏風(fēng)には、地域に急激な変化が訪れた昭和30年代の里山の様子や人々の暮らしぶりが春夏秋冬を通して描かれています。
一方でこのプロジェクトは、絵の完成だけがゴールではありません。2015年3月、絵屏風(fēng)を活用して地域の文化や伝統(tǒng)を後世に伝えることを目的とした「ふるさと絵屏風(fēng)継承會」と「語りべの會」が発足。今度は、絵屏風(fēng)に描かれた內(nèi)容を解説し、地域文化を発信していく活動(dòng)や、地域の自然や歴史、暮らしについて語り合い、地域の未來を育てていく活動(dòng)が始まりました。
「里山の自然の美しさは、代々人々が手を入れて愛しんできたから、さまざまな環(huán)境変化を乗り越え生き続けているもの。人々が自然と関わり、里山の恩恵にあずかっていることを、今後も広め続けていこうと思います」(巖澤さん)。
「全國に拠點(diǎn)がある大和ハウス工業(yè)だからわかる、各地のさまざまな取り組みの情報(bào)を提供していき、次につなげる地域づくりに貢獻(xiàn)できたら嬉しいです」(巖橋)。
桜が咲く山の麓に描かれているのは、屋根の葺き替え。當(dāng)時(shí)は隣近所が手伝いに集まり、ちょっとしたお祭りのようだったという。耕起作業(yè)の機(jī)械化が進(jìn)んだ時(shí)期で、牛で耕す田と機(jī)械で耕す田が両方描かれているのも特徴的。
川に架かる橋の上には、夏の風(fēng)物詩だったというアイスキャンデー売り。農(nóng)作業(yè)を手伝う子どもたちにとって、「チリンチリン」という鈴の音は、心が躍るほど嬉しいものだったそう。
一番手前の家では、地域の人々が話し合いや親睦のために集まる「寄り合い」が行われている。料理や酒を振る舞うため、各々の家が順番で受け持つ。當(dāng)時(shí)、ひょっとこ踴りをよく踴った人がいたとのことで、面白く表現(xiàn)されている。
収穫した大根を洗って干し、漬け物にする人々や、餅つきを楽しむ人々など、慌ただしい年の瀬の行事が描かれている。コマ回しや羽根突き、凧上げに雪遊びなど、子どもたちがどんな遊びをしていたのかもよくわかる。
「ふるさと絵屏風(fēng)」を使い 子どものふるさと愛を育む
発足したふるさと絵屏風(fēng)継承會では、地域の未來を引き継ぐ子どもたちや、子どもたちに一番影響のある親たちにも地域の文化を?qū)Wべる機(jī)會を増やす試みを進(jìn)めています。
「近隣の小學(xué)校と協(xié)議して進(jìn)めている『ふるさとカルタ作り』があります。里山の自然や暮らしが描かれた絵屏風(fēng)から100コマを選び、それを見て子どもたちが言葉に表現(xiàn)する。その過程を通して、ふるさとの大切さを知ってもらいたい。大人たちにも、絵屏風(fēng)鑑賞會や梅干し作りを?qū)g施して対話をしていく予定です。私たちの町は“ふるさと絵屏風(fēng)があるまち”と子どもたちが、胸を張って言えるように絵屏風(fēng)を通じて、地域のつながりや自然の大切さを継承していきたいです」と巖澤さんは語ります。
右から、ふるさと絵屏風(fēng)継承會 會長 巖澤直捷さん。大和ハウス工業(yè)株式會社 CSR 部 巖橋芳郎。
※ 記事內(nèi)容および社員の所屬は取材當(dāng)時(shí)のものです。
2015年9月発行 冊子「SUSTAINABLE JOURNEY」vol.3(ecomom秋號同封)より転載