アメリカ西海岸に位置するオレゴン州最大の都市ポートランドは、「全米で最も住んでみたい都市」として高い評(píng)価をうけるほか、「全米で最も環(huán)境に優(yōu)しい都市」、「最も自転車で移動(dòng)しやすいアメリカの大都市」や「全米で最もおいしいレストランが集まる都市」など、さまざまな視點(diǎn)からエコロジカルでクリエイティブな都市として注目されています。クリエイターや若者を中心に、その魅力にひかれて移住する人は後を絶たず、人口は増加の一途をたどっています。

とはいえ、1960年代までのポートランドは、車社會(huì)が當(dāng)然のアメリカによくある都市のひとつでした。転機(jī)が訪れたのは1979年のこと。ポートランドは都市部と農(nóng)地や森林などの土地利用を區(qū)分する「都市成長(zhǎng)境界線（以下、境界線）」を?qū)毪筏蓼筏俊?/p>

開発を認(rèn)める都市部と認(rèn)めない郊外を分け、農(nóng)地や森林を保全すると同時(shí)に、都市部では機(jī)能がコンパクトに集中した効率的な生活を営めるようにしたのです。自然豊かな境界線の外では農(nóng)業(yè)が盛んに行われ、農(nóng)家は都市部に住む住民や企業(yè)に向けて新鮮な農(nóng)産物を?qū)盲堡毪长趣枪泊妞筏皮い蓼埂?/p>

また境界線導(dǎo)入と同じ頃、政府はポートランドの中央を流れるウィラメット川沿いの高速道路を拡張する計(jì)畫を打ち出します。しかし、市民は地元の環(huán)境破壊につながるとしてこれを拒否。反対運(yùn)動(dòng)が起こり、計(jì)畫は中止となりました。これをきっかけに、既存の高速道路も撤去されることになり、跡地には公園が設(shè)けられたのです。また、高速道路の拡張に使われる予定だった予算の一部は、路面電車やバスなどの公共交通機(jī)関の整備に転用されました。

當(dāng)時(shí)、ポートランドには、環(huán)境に気を配り、生活の質(zhì)を大切にするヒッピーたちが多く移り住んでいました。自動(dòng)車優(yōu)先社會(huì)のアメリカで、ほかの地域とは違う獨(dú)自の文化ができたのには、このような背景があったのです。

“脫?車社會(huì)”を決斷したポートランドの朝は、川沿いでヨガやジョギングを楽しむ人たちの橫を、通勤?通學(xué)するサイクリストが數(shù)多く通り過ぎます。道路には広い自転車専用レーンがあり、バスや電車などの公共交通機(jī)関への自転車の持ち込みも許可されています。

朝のウィラメット川沿いの風(fēng)景。高速道路を取り壊してできたこの公園は、住民の憩いの場(chǎng)として利用されている。
寫真提供：日経BP社

バスの前面には、開閉式のスタンドがついていて、自転車が載せられる仕組みになっている。
寫真提供：日経BP社

しかし今、ポートランドが世界的な注目を集めている理由は、自然環(huán)境の豊かさや交通の利便性だけではありません。次は、ポートランドに住む人たちが形成してきた獨(dú)自の文化、魅力を紹介していきます。

ポートランドでは、車移動(dòng)ではなく、徒歩での移動(dòng)を意識(shí)して、1つの街區(qū)の1辺を通常の半分である60mにしました。區(qū)畫を細(xì)かく分けることで、徒歩での散策がしやすくなり、街はたくさんの人で活気づきました。

歩いて移動(dòng)することを基本に街を設(shè)計(jì)

ポートランドの特長(zhǎng)は、境界線を?qū)毪贰⒔纪猡丐螣o秩序な都市化を抑えるとともに、徒歩で移動(dòng)できる範(fàn)囲に居住地や職場(chǎng)、生活に必要なスーパーなどの施設(shè)を配置したコンパクトシティと呼ばれる街づくりです。

建物は1階にレストランなどの商業(yè)施設(shè)を、上の階にオフィスや住居を置く「ミックスドユース」という使い方がされています。この仕掛けにより、晝夜を問わず街が賑わうようになりました。さらに、時(shí)間帯ごとのエネルギー利用が平準(zhǔn)化されるなど、多くの効果が生まれました。

歩きやすく広い歩道には、美しい花々や緑が充実している。
寫真提供：日経BP社

建物の1階部分が店舗、2階以上が住居になっているため、土地利用密度が高まり、コンパクト化を?qū)g現(xiàn)。
寫真提供：日経BP社

ポートランドでは、大手チェーン店をほとんど見かけません。地元のレストランで、この地域で採(cǎi)れた食材を使った料理を楽しんでいます。小規(guī)模なビール醸造所で職人が造るクラフトビールが人気です。

旬の食べ物を新鮮なうちに美味しくいただく

境界線の外には、農(nóng)村地帯が広がっています。毎週末ごとに開催されるファーマーズマーケットには、地元で収穫された旬の野菜や果物を求め、多くの人が訪れます。

市內(nèi)には、51のブリュワリー（地ビール醸造所）があり、郊外にはワイナリーも多くあります。新鮮な野菜や上質(zhì)なビール、ワインが手に入るため、豊かな食材を求めて、世界中のシェフたちがこの街で店を構(gòu)えるようになりました。

「美食の街」ともいわれるほどで、レストランの種類の多さや、レベルの高さも街の魅力のひとつになっているのです。

レストランには地元の人が集い、いつも混み合っている。
寫真提供：日経BP社

ポートランドでは、地域で何か問題が起こったときには、住民同士の話し合いをもとに、対策がとられます。95団體が市に登録され、すべてが公式の市民參加団體として認(rèn)められています。

街のことは自分のこと一人ひとりが街をつくっていく

住民參加型の合意形成が行われるポートランドには1930年頃から「ネイバーフッド?アソシエーション（以下、NA）」という自治體のような組織が存在しています。NAは、住民の自発的な意思によって運(yùn)営されています。

NAでは、地域の課題について話し合い、住民同士で解決方法を探ります。根底にあるのは「自分たちの住む街は、自分たちでつくっていく」という考え方。住民一人ひとりが、街のことを自分のこととして捉え、地域の未來をよくするために、街づくりに積極的に參加しているのです。

「ネイバーフッド?アソシエーション」會(huì)議のイメージ。住民が集まり、身近な課題について話し合いを行う。

2015年3月発行 冊(cè)子「SUSTAINABLE JOURNEY」vol.2（ecomom春號(hào)同封）より転載