株式?投資信託などへの投資で得られた配當金や分配金、譲渡益が非課稅となり、
お得に資産形成ができる制度「NISA」。
2014年にスタートし、2016年には「ジュニアNISA」、2018年には「つみたてNISA」も
加わりました。現行のNISAの種類と、メリット?デメリットについてご紹介します。
少額投資の非課稅制度NISA
投資を始めるときに利用したいのが少額投資非課稅制度「NISA」です。1人に1つのNISA口座を作ることができ、その口座內で毎年一定金額の範囲內で購入した上場株式や投資信託などの配當金や分配金、売卻時の利益が非課稅になるというものです(通常は20.315%課稅)。このNISAには一般?つみたて?ジュニアの3種類があります。
一般NISA
非課稅投資枠が年間120萬円、非課稅期間は最長5年間(2024年から新NISAに変わります)。対象となる金融商品は國內?海外上場株式、株式投資信託などで、預貯金や債券などは対象外です。個別の株式も購入できるので、積極的に投資をしたい人におすすめです。
つみたてNISA
少額で積み立てを長期に行いたい場合は、投資信託が対象の「つみたてNISA」がおすすめです。買い付けの方法は「積立投資」に限定されており、手數料が低水準など一定の基準をクリアした長期?積立?分散投資に適した投資信託がラインアップ。投資初心者をはじめ幅広い年代の方に利用しやすい仕組みになっています。非課稅投資枠は年間40萬円で非課稅期間は最長20年。最大で800萬円(年間40萬円×20年)になります。
※「一般NISA」「つみたてNISA」は20歳以上が対象。いずれかを選択。
ジュニアNISA
0歳?19歳の未成年者が対象。原則として親権者や祖父母が代理運用し、非課稅投資枠は年間80萬円、非課稅期間は最長5年。原則として18歳までは払い出しができません(ジュニアNISAの投資可能期間は2023年で終了)。
長期?積立?分散投資のメリット
「積立投資」は、同一の金融商品、例えば投資信託を毎月一定額決まった日に買い付けていく方法。価格が安い時には多く購入することができます。「分散投資」は、投資金額を分散していくつかのものに投資する方法。例えば値動きの異なる資産(株式と債券など)を組み合わせて購入することで、価格の変動が小さくなり、リスクの軽減が見込まれます。積立?分散投資を長期間行うことで、元本割れのリスクを減らすことができ、価格の変動に一喜一憂することなく長期間続けることが資産形成に大切だといわれています。
元本保証なし、保有済み商品の移管不可
これらのNISAの対象商品は全て元本保証がされていないものです。また、NISA口座は1人1口座。NISA口座以外で保有している金融商品をNISA口座に移すことや、NISA口座で保有している商品での損失を他の口座の金融商品の利益と相殺(損益通算)することもできません。投資の意味とNISA口座の特徴をよく知って始めるとよいでしょう。
このNISA制度ですが、2020年度の稅制改正により2024年から変わることが決まりました。新制度については、次號でご紹介します。
[積立投資の例]
投資信託を最初に4萬円分購入した場合と積立投資で毎月1萬円ずつ購入した場合の比較
ファイナンシャルプランナー 福一 由紀
※掲載の情報は2020年3月時點のものです。內容は変わる場合がございますので、ご了承ください。