給與から天引きされている厚生年金保険や健康保険などの社會保険料ですが、
どのようにその金額が決まるのでしょうか?
現役世代會社員の社會保険料についてご紹介します。
厚生年金保険、健康保険の保険料は給與から決まる
會社員にとって負擔が重い社會保険料は、厚生年金保険と健康保険でしょう。これらの保険料は給與やボーナスとして支給された金額から保険料が計算される仕組みになっています。毎月受け取る給與の月額を區切りのよい幅で區分した「標準報酬月額」、ボーナスは稅引前の支給額から千円未満を切り捨てた「標準賞與額」が基準となります。厚生年金保険料は、この標準報酬月額、標準賞與額の9.15%※1が報酬から引かれることになります。健康保険料は加入している健康保険によって異なりますが、中小企業従業員が多く加入する「協會けんぽ」の東京都では4.935%※2(40歳以上64歳以下で介護保険料も負擔の場合は5.83%※2)が報酬から引かれることになります。
4、5、6月の給與で1年間の保険料が決まります。
毎月の厚生年金保険料、健康保険料が決まる標準報酬月額。通常は4、5、6月に支給された報酬の金額で決められます(大きく給與額などが変わる場合はその時點で改定されます)。この対象となる報酬は、基本給はもちろん家族手當、通勤手當、住宅手當、殘業手當などが含まれます。3、4、5月に殘業が多くなると、4、5、6月に支給される手當が増え、1年間の保険料が上がるということになります。標準報酬月額は、健康保険は50等級、厚生年金は31等級に分けられており、報酬月額に対応する等級から保険料が決まります(表1)。
表1)令和2年3月分(4月納付分)からの健康保険?厚生年金保険の保険料(本人負擔分)
協會けんぽ(東京都)の場合(月額)
※等級欄の( )內の數字は、厚生年金保険の標準報酬月額等級です。4(1)等級の「報酬月額」欄は、厚生年金保険の場合「93,000円未満」、34(31)等級の「報酬月額」欄は、厚生年金保険の場合「605,000円以上」と読み替えてください。
厚生年金保険?健康保険の月額保険料の計算方法(本人負擔分)
厚生年金保険料 = 標準報酬月額 × 9.15% ※1
健康保険料(40歳未満) = 標準報酬月額 × 4.935% ※2 ※3
健康保険料(40歳以上64歳以下介護保険料含む) = 標準報酬月額 × 5.83% ※2 ※3
雇用保険は給與の0.3%を天引き
給與から天引きされている社會保険料には、他に雇用保険があります。こちらは、単純に給與やボーナスとして支給された金額の0.3%( 一般事業、平成31年度)。また、全員加入している労災保険は事業主が保険料を負擔しているため、給與からの天引きはありません。給與から引かれる社會保険料( 厚生年金保険、健康保険、雇用保険)は概算で、40歳未満は14.385%※3、40歳以上64歳以下は介護保険料も負擔し15.28%※3に。給與明細をチェックして、どれだけの社會保険料を負擔しているかを把握しておきましょう。
- ※1平成29年9月より固定。會社も同額を負擔。
- ※2令和2年3月分(4月納付分)から。會社も同額を負擔。
- ※3令和2年度、健康保険:協會けんぽ〈東京都〉の場合。
ファイナンシャルプランナー 福一 由紀
※掲載の情報は2020年2月時點のものです。內容は変わる場合がございますので、ご了承ください。