春のガーデニングシーズンには多くのハーブの苗が出回ります。
京都?美山でハーブを育て自然とともに暮らす
「はーばりすとくらぶ美山」の淺野目さんご夫妻を訪ね、
ハーブを暮らしの中で楽しむヒントを伺いました。
庭では「ハーブの標本園」として世界中から集めた200種類以上のハーブを栽培し、新種のハーブも紹介。
庭の見頃は花が咲きそろう5~7月。苗の販売は4~6月に最も多くの種類が並ぶ。カフェ&ギャラリーになっているログハウスに隣接するツリーテラスでは、美山の絶景を眺めながらお茶を楽しめる。
美しい山々に囲まれた美山町に移住して35年になる淺野目さんご夫妻?!府敃rはハーブがまだ一般的に知られていなかった頃。栽培しながら知識を深め、魅了されました」という誠和さん。庭にはさまざまなハーブが200種類以上。原種か原種に近いものを栽培しており、どれも香りが強く生き生きと生命力の強さを感じさせます。「摘みたてのハーブの香りをまずはお茶で楽しんでみましょう」。ハーブをポットに入れて熱湯を注ぐとさわやかな香りが広がり、一口飲むと體の中からリフレッシュ。バスハーブとして湯船に浮かべるのもおすすめだそう。そして、料理の風味をアップさせるハーブは淺野目家のキッチンでは欠かせない存在。「少しずつ使いながら好みの香りを見つけてくださいね」とあつさん。ハーブが日々の暮らしをいっそう豊かにしてくれます。
摘みたての香りを楽しむフレッシュハーブティー
「ハーブは3~4種ブレンドすると風味が増しておいしくなります」。
レモンバームやレモンバーベナなどレモン系のハーブはすっきりさわやか。
ローズマリーを加えると個性的な味わいに。
ハーブをポットに入れ、熱湯を注いで2分ほど蒸らします。
エキゾチックな深い味わいのレモングラスティー(レモングラス?ウッドカラミンサ?ローズマリー?ワイルドマジョラム)。ローズマリーなど香りが強いハーブは少なめに。
ハーブは料理をおいしくしてくれる調味料
摘みたてのハーブや自家栽培の畑の採れたて野菜を使って、手早く料理を作ってくれた、あつさん。ハーブの香りが加われば、塩?こしょうだけでも、豊かな味わいになります。旬の時期に収穫したハーブは乾燥させたり、酢に漬けておけば年中活躍します。
「よく使うハーブは、タイム、ローズマリー、フェンネルなど6~7種。三つ葉や山椒など和の薬味のような感覚で少しずつ使ってみて」とあつさん。今回ご紹介いただいたのは淺野目家の定番レシピ。ドレッシングは特にお気に入りだそう。
タラゴン、フェンネルなど好みのハーブをびんに入れ、米酢を注いだハーブビネガー。
まろやかでいろいろな料理に合う。
酢はつぎ足して使える。
たらのバジル衣揚げとハーブサラダ
乾燥バジルをたっぷり混ぜた小麥粉をまぶしてフライに。
畑で収穫したレタス、マーシュなどの葉野菜にナスタチウム、ボリジの花を散らしたサラダは見た目もすてき。
ハーブドレッシングを添えて。
ハーブドレッシングの作り方
にんじん50g、玉ねぎ30g、酢大さじ2、サラダ油50ml、塩?こしょう?砂糖各適量に、フレッシュハーブ(フェンネル、マジョラム、タイムなど)をたっぷり加え、フードプロセッサーにかけペースト狀に。サラダほか肉、魚にも合う。
鶏肉の香草蒸し焼き
ホイルを開くとハーブの香りが広がる。
鶏むね肉にローズマリー、フェンネル、チャイブなどのハーブとレモン、きのこをのせホイルに包んで、オーブンで焼く。
ハーブが香る、きのこのキッシュ
具にもトッピングにもハーブをたっぷり。
きのこはタイムやフェンネルなどのハーブを加えて炒め、タルト生地に入れる。
上から卵液を流し入れ、チャービルをたっぷりのせてオーブンで焼く。
元気なハーブに育てるポイント
ハーブは苗からなら初心者も育てやすいので、まずは鉢植えで始めてみましょう。
- 苗は適切な時期に植える
育てる種類や環境に合わせ、適切な時期に植えることで、元気に育ちます。寒さに強く、夏までに開花するジャーマンカモミールなどは早めに植えると長く楽しめます。 - 健康な土に植える
土は市販のハーブや草花、野菜用の培養土で十分ですが、においをかいでみてカビ臭さがないかチェック。古い土の場合は天日干ししてから使いましょう。
※はーばりすとくらぶ美山では、うまくいかないプランターの土などを持參すると、土質?pHなど診斷した、理想的な土に改良してもらえる、土の病院も開設。 - 水のやりすぎに注意
枯らしてしまう主な原因は水のやりすぎ。土の表面が乾き、ハーブがうなだれてきたぐらいのタイミングで、鉢の底から水が出るくらいたっぷりとやります。夏場は涼しくなる夕方以降に。 - ミントはひと鉢、1品種に
ミントは繁殖力が旺盛で他の植物の成長を妨げるので、寄せ植えには向きません。また、異なる種類のミントを同じ鉢に植えると交雑し、香りが変わってしまいます。そのため、ひと鉢に1品種を植えるようにします。
地植えの場合、ほとんどのハーブは根付いたら、水やりをしなくても元気に育つ。レンガや石でゾーニングすると管理がしやすく見栄えもよい。
教えていただいたのは…
はーばりすとくらぶ美山
淺野目 誠和さん、あつさん
ハーブ研究家でネイチャーガイドの誠和さんとあつさんご夫妻。手作りのログハウスではハーブティーとともに季節のケーキが楽しめ、地元の作家さんの作品やあつさんの草木染め、誠和さんの家具などの木工作品が並ぶカフェ&ギャラリーになっている。
http://www.cans.zaq.ne.jp/herb/(月?火?水は定休日、1?2月は冬季休業)