最近は臺風(fēng)や地震などの災(zāi)害が続き、支援のための寄付をしたという方も多いでしょう。このような寄付の中には「稅金が安くなります」といった案內(nèi)があるものがあります。「寄付金控除」や「寄付金特別控除」と呼ばれ、ユニセフや日本赤十字社など特定の団體への寄付で使えるものです。災(zāi)害支援や発展途上國支援に役立つようにと思いを込めて寄付をし、さらに稅金が安くなるうれしい制度。寄付金の控除についてご紹介します。
所得稅が安くなるのは「所得控除」と「稅額控除」
寄付金の控除は所得稅の制度です。所得稅額の決まり方からみておきましょう。
(図表1)のように、所得稅は所得から「所得控除」を引いた「課稅所得」に対して課稅されます。この所得控除とは配偶者控除(一定の所得以下の配偶者がいる)、醫(yī)療費控除(生計をともにする家族で年間10萬円以上※1の醫(yī)療費を自己負(fù)擔(dān))など、個人の事情を加味して稅額を安くしようというもの。このように決められた課稅所得に一定の計算をして、所得稅額が決まります。この決められた所得稅額から、「稅額控除」を直接控除したものが、実際に納付する稅額です。稅額控除には、住宅ローン控除などがあります。
※1…所得によっては10萬円以下でも控除を受けられることがあります。
多くは「稅額控除」が有利に
今回ご紹介している寄付金の控除には、「所得控除」と「稅額控除」の2つの種類があります。これらの控除の対象となる寄付は(図表2)のように定められています。認(rèn)定NPO法人などに寄付をした場合は、どちらの控除も対象となっていますが、利用できるのは一つ。減稅額が多くなる方を選択したいですね。高所得(稅率40%、給與年収の場合およそ2,500萬円以上)の場合は所得控除が有利、それ以外の一般的な所得の場合は稅額控除の方が有利となるでしょう。
■寄付金の控除は「所得控除」と「稅額控除」の2種類
所得控除の「寄付金控除」の控除額
特定寄付金の合計額※2 -2,000円
※2…総所得金額等の40%が限度
稅額控除となる「寄付金特別控除」の控除額
(稅額控除対象となる寄付金の合計額※3 -2,000円)×40%※4
※3…総所得金額等の40%が限度
※4…政府等への寄付金の場合は30%
※5…正確な稅額計算は、課稅所得×稅率-控除額で計算されます。(稅率、控除額は所得金額により決まる)
※6…稅額控除がない場合は、所得稅額が納稅額となります。
■「寄付金控除」「寄付金特別控除」の対象(図表2)
所得控除「寄付金控除」の対象となる主なもの | 稅額控除「寄付金特別控除」の対象となる主なもの |
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●國、地方公共団體に対する寄付金 ●財務(wù)大臣が指定した寄付金(指定寄付金) ●政治活動に関する寄付金 ●認(rèn)定NPO法人に対する寄付金 など |
●政黨又は政治資金団體に対する政治活動に関する寄付金で一定のもの ●認(rèn)定NPO法人に対する寄付金 ●公益社団法人及び公益財団法人への寄付金 など |
所得控除「寄付金控除」の対象となる主なもの |
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●國、地方公共団體に対する寄付金 ●財務(wù)大臣が指定した寄付金(指定寄付金) ●政治活動に関する寄付金 ●認(rèn)定NPO法人に対する寄付金 など |
稅額控除「寄付金特別控除」の対象となる主なもの |
●政黨又は政治資金団體に対する政治活動に関する寄付金で一定のもの ●認(rèn)定NPO法人に対する寄付金 ●公益社団法人及び公益財団法人への寄付金 など |
■手続きは確定申告で
これらの寄付金の控除を受けるには「確定申告」が必要です。寄付の証明書などを添付して確定申告をしましょう。寄付をする前に、控除の対象であるかを確認(rèn)するのを忘れずに。 ふるさと納稅もこの寄付金の控除の一部です。確定申告では寄付金控除(所得控除)で申告します。他に申告する寄付金があれば合算します。また、ワンストップ特例※7でふるさと納稅を行った人が確定申告をする場合には必ず、ふるさと納稅の申告を再度する必要がありますのでご注意を。
※7…諸條件を満たすと、確定申告を行わなくても、ふるさと納稅の寄付金控除を受けられる仕組みのこと。
ファイナンシャルプランナー 福一 由紀(jì)
※掲載の情報は、2019年12月時點のものです。內(nèi)容が変わる場合がありますので、ご了承ください。