玄関は家人の品格が見え隠れ
日本では玄関が家の象徴を表すものだと感じている人が多いように思います。家の真ん中にドーンとあるような玄関を見ると、この家の人は自己主張の強い威厳のある人なのかなとか、逆の雰囲気を見ると奧ゆかしい住人かなとか、勝手に想像してしまいます。玄関のつくりかた一つにも住む人の品格が現(xiàn)れるんですね。私は、道路から少し奧まったところに控えめに設(shè)けるのが良いと思っています。また、道路に直接面するような玄関は、扉を開けた時に家の中が丸見えになってしまうので、できれば避けたいところです。敷地の関係でどうしても道路に面して配置しなければならない場合は、扉の向きを橫向きにするなどの工夫で視線を回避しましょう。あと、玄関から見える坪庭をつくるのもお勧めです。家に入った瞬間視線が坪庭に抜けることで、玄関を広く演出することができます。
玄関ドアを道路側(cè)に開くことで視線をカット。
道路から距離をとり、さらに引っ込めて配置。
少し高めの塀や樹木で視線を遮るのも効果的。
階段はプロの腕の見せどころ
住まいづくりで一番難しいのは、階段の位置決めだと私は思っています。なぜなら、階段の位置によって、その住まいの使い勝手は大きく変わってしまうからです。階段の位置の設(shè)計こそプロの建築士の腕の見せどころなんですね。家の使い勝手は「動線の長さ」が大きなポイント。また、動線の長さを考慮しないと廊下のような空間が、思った以上に増えてしまうこともあります。リビングから直接2階に上がる「リビング階段」などは、動線が短くでき、しかも部屋に行くまでに必ずリビングを通るので、家族の顔が自然に目に入ります。階段にもいろいろなタイプがありますが、くれぐれも緩やかに上り下りできるように設(shè)計しましょう。また段板だけのストリップ階段は、階段の向こう側(cè)が見通せるので、空間が広く感じられる効果があるのでお勧めです。
外周りに必要なのは細やかさ
家の外周りで場所と広さを慎重に考えなくてはならないのが駐車スペースです。どの場所にするかも大切ですが、重要なのは広さ。車の大きさによって変わりますが、中型車で3m×5~6mは用意するようにしましょう。完全に駐車スペースを屋內(nèi)にしてしまうビルトインタイプは、雨の日に濡れずに乗り降りできとても便利。2階のオーバーハングを利用して、その下を駐車スペースにするのも有効な手段と言えます。外周りで忘れがちなのが屋外の水栓です。洗車は勿論、植栽への水やりに必要なので、しっかり用意しておきましょう。次は自転車置き場ですが、玄関周りに設(shè)けると雑然となってしまうので、道行く人から見えないところに設(shè)けるのがベスト。さらにもう一つ、仮に狹い敷地であっても、一本だけでもいいので樹を植えることをお勧めします。象徴的な樹木(シンボルツリー)は家族とともに成長し、住まい手の街への気配りも感じられ、行き交う人が優(yōu)しい気持ちになれるものです。
住宅設(shè)計アドバイザー 一級建築士
山形大學(xué)工學(xué)部 特任教授 (前)近畿大學(xué)建築學(xué)部 教授
木村 文雄
1976年 芝浦工業(yè)大學(xué) 工學(xué)部建築學(xué)科卒業(yè)
ハウスメーカーにて住宅設(shè)計、商品企畫、研究開発などに攜わり
2013年4月より近畿大學(xué)建築學(xué)部 教授に就任
2019年4月より現(xiàn)職
※掲載の情報は2019年11月現(xiàn)在のものです。