土地活用ラボ for Owner

コラム vol.157
  • 不動産市況を読み解く

長生きするリスクをカバーし、同時に相続対策にも効く不動産投資術。

第3回 長生きするリスクを不動産投資でカバーして幸せな老後生活を構築!

公開日:2016/08/31

「長生きするリスクとは?」でもご紹介しましたが、現在の日本社會で暮らす多くの人々は長生きするリスクを抱えつつ生活しています。長生きするリスクとは、右肩上がりで伸びている平均壽命に対して健康壽命が追い付かず、人生最期の約10年前後は闘病生活に突入し、健康を失う事により労働収入が途絶えるにもかかわらず醫療費は激増し、老後生活の原資として蓄えてきた預貯金を取り崩す日々が続き、ついにはそれも枯渇してしまい果ては生活費すらままならなくなってしまう可能性がある事を指します。

では、この國に暮らす多くの人々がなぜ長生きするリスクを抱えながら生活しなければならないのか?
答えは、多くの人々の家計に占める収入屬性が労働収入1本のみに頼っており、権利収入に屬する収入を何一つ持っていない事にあります。
そのリスクに早くから気付き、「このままではマズい事になる!」と思いリスク回避のための様々な手を打つ人もいます。その様々な手を打つうちの一つが不動産投資をする事です。
不動産投資のメリットについては前項のコラムでもご紹介しましたが、最大のメリットは今の仕事や生活その他諸々の社會的環境を何一つ変える事なく、労働収入とは別枠で権利収入を得る事ができる點にあります。

権利収入は継続的に維持できる

何でもそうなのですが、失ってみて初めてそのありがたさが解り、そのありがたさが身に沁みる事があります。
その一つが労働収入です。年齢が若かったり、特別な資格を持っていたり、引く手あまたの業種だったりの環境で過ごしている人々は、この意味について今ひとつピンとこないかもしれません。しかし労働収入はいつか必ず途絶えます。
年齢的な限界點があるのは勿論ですが、萬一健康を失ってしまうと年齢とは関係なく、それと連動して労働収入も失ってしまいます。例えば、年収○○億円プレーヤーとその名を轟かせた有名野球選手でも、ひとたび健康を損なってしまい闘病生活に突入してしまえば、あるいは大きな事故に巻き込まれて身體的なハンディキャップを背負ってしまう事になれば、途端に労働収入は失われます。

一方、権利収入はひとたび構築してしまえば、高齢になろうが、健康を損なおうが、大怪我をしようが、それとは無関係に継続的収入が期待できます(空室リスク、借上の免責期間も考慮して)。この事こそが、既に日本が突入している超高齢社會を生き延びるために打つ手の一つなのです。

不動産投資の注意點

特に収益不動産(賃貸住宅、賃貸マンション等)から得られる家賃収入は、當月末には翌月の家賃が、更に翌月末には翌々月の家賃が、定期的に振り込まれますので、労働収入の代表格である給與収入と比較しても、収入を得られるサイクルが酷似しており日常生活との親和性がとても高い権利収入ですし、長生きするリスクをカバーするための収入源としての相性はバッチリ!といえますが、同時に注意點もいくつかあります。具體的には以下の通りです。

注意點(1):まとまった額の資本金が必要!

高額商品の代名詞ともいえる不動産購入をしますので、ある程度まとまったお金が必要です。例えば一部屋5萬円の家賃で10部屋あれば月収50萬円、年収600萬円、この位の権利収入が欲しいとなれば、場所にもよりますが8,000萬円前後の不動産購入が必要であり、仮にローンを使わないとすれば、これに諸経費を加えた総額8,500萬円前後の現金が必要となります。

注意點(2):銀行ローンは永遠ではない!

仮に総額8,500萬円の現金出資が難しい場合、そのうち1割前後の850萬円を出資して足りない分を銀行等の融資を得て購入する事も可能です。これならば多くの人々が不動産投資をスタートする事ができますが、この場合はまず第一に購入者が健康である事が大前提となります。またある程度の融資期間を確保できないと、家賃収入からローン返済や不動産を維持するための諸費用を差し引いた手殘り金をプラスにするための収益構造を作る事が難しくなるので、高齢になってからの借入は難易度が高くなります。具體的には60歳までには手を打つ必要があります。

少しずつ収入屬性を変える

理想的には、労働収入がバリバリ得られる現役時代に少しずつ不動産投資をスタートして、収入屬性を少しずつ変えていくことです。
例えば「労働収入10:権利収入0」の狀態でスタートし、5年後は「労働収入7:権利収入3」、10年後は「労働収入4:権利収入6」、という具合に収入屬性を少しずつ権利収入メインにシフトしていく、というアクションが有効です。

一點念のため補足しておきますと、このケースでは労働収入が10 ? 7 ? 4という具合に減っていくように見えますが、実際には労働収入は一定額で10年間推移する前提です。という事は、労働収入に権利収入が加わった結果、収入屬性に占める労働収入の比率が相対的に減少し、結果、比率が10 ? 7 ? 4と下がるという事です。

具體的には以下のようなイメージです。

  1. ● スタート時:労働収入1,000萬円:権利収入0萬円(10:0)

    ※労働収入+権利収入=1,000萬円

  2. ● 5年後:労働収入1,000萬円:権利収入428萬円(7:3)

    ※労働収入+権利収入=1,428萬円

  3. ● 10年後:労働収入1,000萬円:権利収入1,500萬円(4:6)

    ※労働収入+権利収入=2,500萬円

注)ただし、ここでいう「権利収入」とは、不動産投資を進めた結果得られた収入の事を指しますが、そのために金融機関から借入を行った場合などは、ローン返済等も発生しますので、丸々収入となるわけではありません。

仮に、不動産投資をスタートする以前の狀態であった労働収入のみの1,000萬円で老後も幸せな生活を送る事ができる生活設計だとします。

そしてこのイメージ通りで進めば、10年後に定年を迎えても、或いは今の仕事を自主的に引退する事により労働収入がゼロになったとしても、それまでに構築済みの権利収入1,500萬円だけで十分幸せに暮らしていく事ができると共に、収入屬性が権利収入ですから、ある程度長期的な継続的収入を得る事が期待できます。ですから、長生きするリスクをカバーする手段として適しています。

ちなみに、先の具體例はあくまでもイメージです。ある人は権利収入の構築に20年かかるかもしれませんし、またある人は5年で達成してしまうかもしれません。 しかしどちらにしても、収入屬性を1気筒から2気筒に増やしておけば、何らかの事情で労働収入が途絶えたとしても路頭に迷うリスクは少なくなり、このシステムをなるべく若いうちに構築してしまう事こそ、來るべき老後に幸せな生活を維持するための大きな支えとなるのです。

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