人生最後の借金
第6回 「相続稅」をいかに減らすか???
公開日:2016/09/30
これまで紹介した相続対策実例を振り返り、改めて相続対策のポイントについて総復習してみたいと思います。
現預金の贈與と不動産投資実例
財産內容
財産総額 7億7,400萬円(うち現預金4億/土地3億超)
提案
?現預金に関しては年間500萬円を8人に対し10年間贈與する
?新たに土地購入し収益物件を建築する
?計3億5,000萬円の投資
結果
相続稅 2億3,242萬円 → 相続稅 6,000萬円
財産のほとんどが土地であるケース(1)
財産內容
財産総額 3億4,858萬円(うち現預金5,000萬円/土地2億7,000萬円)
提案
?現預金に関しては年間110萬円を4人に対し10年間贈與する
?遊休地を活用し1億円の収益物件を建築する
結果
相続稅 9,749萬円 → 相続稅 5,500萬円
財産のほとんどが土地であるケース(2)
財産內容
財産総額 6億522萬円(うち土地6億円)
提案
?長男の子どもを孫養子として迎え入れる
?宅地化可能な山林を造成し収益物件を建築する
?計5億円の投資
結論
相続稅 1億7,188萬円 → 相続稅 3,870萬円
上記の相続対策実例から相続稅は対策次第で劇的に減らすことができるということが分かっていただけたのではないでしょうか。
ただ、相続稅は減らせばいいというものではありません。
相続稅の節稅対策は簡単にできます。極端なことをいえば10億円の資産があっても10億円以上の借り入れで不動産活用すれば相続稅はゼロにできます。
しかし、それで不動産投資に失敗しては結局財産を失ってしまう可能性もあります。
自分の保有する土地の価値や地域に応じた「適度な投資」により相続稅を減額することが大切です。
相続稅の節稅対策だけに傾倒してしまってはいけないのです。
相続財産として不動産を引き継ぎ経営していくのは他でもない相続人。相続人が20年後も30年後も長期安定した不動産経営ができてこそ、3代先まで財産を守っていくことができるといえます。
その意味で、資産家の方が次世代に最大限の財産を殘していくために大事なのは次の2つの視點です。
1つ目は「相続稅をできるだけ減額すること」
資産家の方にとって「相続稅」は人生最後の借金といえます。
人生の最後に相続稅という借金を清算し、次世代に殘せるのはその借金を返済した“殘り”だけです。ですから、資産家の方がより多くの財産を殘すために「相続稅」の合法的減額は絶対條件です。
2つ目は「不動産投資としても成功すること」
相続稅の節稅対策のために不動産投資が必要な場合、収益物件を引き継いだ相続人が相続後も安定した収益を得られ続けるかどうかという「長期的な視點」でその投資を考える必要があります。
相続稅を減額し、不動産投資としても成功できれば、財産は子々孫々、減るどころか増えていきます。
ご紹介した提案実例はこれらの2つの視點から相続稅の節稅効果と不動産投資のリスクのバランスについて、相談者と何度も話し合って導き出された提案です。
私はその人の思いや資産構成、家族関係などいろいろなものを考慮して「オーダーメイドの相続提案」を行ってきました。しかし、私ができるのはあくまで選択肢の提示にしかすぎません。
の提案書をもとに家族で將來について何度も話し合われ、最終的に導き出された対策こそ、私の目指す「あなたに合った相続対策」になるのだと信じています。