「土地の広さにあわせた土地活用術とは?」
資産形成における土地活用の考え方
公開日:2016/03/25
ひと言で「土地」といってもさまざまな土地があり、活用方法は広さや環(huán)境などによって変わってきます。
また、土地活用を考えるにあたっては、単純に土地のことだけを考えるのではなく、資産全體からどうすべきなのかを十分検討する必要があります。これは、運用として考えるのか、相続対策として考えるのか、稅務対策として考えるのかによって活用の仕方や土地への資産配分割合が変わってくるためです。
今回は、資産形成という観點から土地活用を考えていきます。まずは全體の資産の中で土地や不動産への配分はどのように考えるべきか、解説していきたいと思います。
資産形成では財産三分法が基本
昔からある資産形成の考え方に「財産三分法」があります。一般的には、資産を預貯金、不動産、有価証券に分けて保有すべきという考え方です。預貯金を除いた運用資産として考える場合には、不動産、債券、株式をさす場合もあります。
なぜ3つといった複數に資産をわける必要があるのか。これは運用するにあたり、複數の資産にわけることでリスクを分散し資産を守る、という考えに基づいています。
よくいわれるのは、株式>不動産>債券の順にリスクとリターンの大小があるということです。株式はリスクが高めではあるがリターンも高くなり、債券はリスクもリターンも低くなります。また、不動産はミドルリスク、ミドルリターンであるというわけです。
そのため、それぞれ分けて保有することで、ある程度のリターンを得ながらリスクを軽減させることができます。
まずはご自身の資産のうち、こうした資産配分がどのようになっているか振り返ってみましょう。運用資産として捉えるならば、不動産部分に関しては自宅を除いておおよその金額を見積もるとよいでしょう。
財産三分法の考え方
資産構成は時と場合によって変えるべき
資産配分において、土地や建物など不動産の比率が高いという方もいらっしゃるかもしれません。都心に土地をお持ちの方の場合、資産配分の3分の1どころじゃないという方もいらっしゃるでしょう。しかし、これはあくまでも一般的な考え方になります。実は、いつの時代でも均等にもつことが良いというわけではありません。資産構成は時と場合によって変化させるべきなのです。
特にマイナス金利の導入により預金や住宅ローンを中心に金利が低下する昨今においては、土地など不動産を保有する方にとってはむしろ大きなチャンスではないでしょうか。なぜならば、マイナス金利により借入れの金利が低下し、家賃収入といったインカムゲインから金利などのコストを引いた実質利回りの上昇が期待できるからです。実質利回りの上昇は不動産価格の押し上げにも寄與します。
また、マイナス金利の導入により物価上昇(インフレ)へとつながるのであれば、インフレ面からの不動産価格の上昇も期待できます。
一方、預貯金の利息はメガバンクをはじめ、史上最低の金利となっているためほとんど期待できないのが実情です。2016年3月現在のメガバンクの普通預金の金利は、年0.001%(稅引前)。これは1億円を1年間普通預金で預けておいたとしても利息が1000円にしかならないことを意味します。
こうした狀況を考慮すると、現狀の資産構成は、預貯金の比率を低めにし、金利面やインフレ対策面からは不動産を中心として、インフレ対策には有価証券(特に株式)を配分することが有利といえます。例えば、預貯金、不動産、有価証券(株式や債券など)へと配分するのであれば、預貯金の比率を2割、不動産の比率を6~7割、有価証券への比率を1~2割とする資産構成を検討できます。
不動産を中心とした財産三分法
預貯金への配分は予備資金も考慮して
以上から、低金利下の現在であれば、資産配分上、土地など不動産の比率が高まっていてもよいことが分かります。先祖代々受け継ぐ土地など、土地を多く所有する方にとっては、安堵となる結論です。
ただし、2點ほど注意點があります。一つ目は、土地活用がうまくできていないケース。
土地を所有していても、収益に結びついていなければ固定資産稅などの稅金がかかるだけで寶の持ち腐れとなってしまいます。資産配分で土地の割合が多くても収益を生み出さないのでは意味がありません。そのためには、いかに土地を有効活用するか。この點については後述します。
二つ目は、預貯金の配分は予備資金なども考慮して決めていただきたいということです。
資産の中で土地などの固定資産の比率が高い場合、どうしても資金繰り面で不安が生じます。何かあった場合や納稅資金などは確保したうえで資産配分を検討すべきです。収益性を確保しつつ、キャッシュという流動性も考慮しなければなりません。
以上の2點に注意しながら、資産配分を検討していきましょう。まずは現狀を見つめ、資産を把握する。年収が高く、ある程度の資産をお持ちの方の場合であれば、確定申告時に提出する「財産債務調書」の內容を把握されると時間の短縮につながります。