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コラム No.65-6

CREコラム

働き方改革のために不動産はどう活用されるべきか(6)オフィスのウェルネスを考える

公開日:2019/03/29

國も「健康経営」への取り組みを推奨

生産性を高めるためのビル、オフィスのあり方を紹介してきましたが、前回「WELL認証」でも紹介したように、そこで「働く人」が心身ともに健康である必要があります。

生産性を高めるためのビル、オフィスのあり方として、そこで「働く人」が心身ともに健康である必要があります。
昨今、「ウェルネス」という言葉をよく耳にするようになりました。1961年に、アメリカの醫(yī)學者、ハルバート?ダンによって提唱された概念ですが、近年の定義では、「身體的、精神的、そして社會的に健康で安心な狀態(tài)」(グローバルウェルネスインスティチュート:Global wellness Institute 2015年)とされています。

企業(yè)のオフィスにおいても同様で、単に有害物がない、身體に悪い影響がないというだけではなく、そこで働く人が、精神的にも心理的にも健康な狀態(tài)になるようなオフィスを提供することが望まれています。
企業(yè)がオフィス環(huán)境を改善し、働く人の心身の健康の増進に取り組み、実現(xiàn)することができれば、モチベーションの向上、仕事への取り組み姿勢の改善、働きがいの向上にもつながります。
日本では、オフィスでのウェルネスの推進に関連して、「健康経営」への取り組みがあります。健康経営とは、「従業(yè)員等の健康管理を経営的な視點で考え、戦略的に実踐すること」(経済産業(yè)省)で、企業(yè)理念に基づき、従業(yè)員等への健康投資を行うことで、組織の活性化をもたらし、結果的に業(yè)績向上につなげようというものです。
経済産業(yè)省は、「健康経営」の普及に力を入れており、オフィス環(huán)境づくり、従業(yè)員の健康保持?増進について紹介する「健康経営オフィスレポート」を公表しています。
そのレポートの中で、「健康経営オフィスとは、健康を保持?増進する行動を誘発することで、働く人の心身の調和と活力の向上を図り、ひとりひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できる場のこと」であるとし、「従業(yè)員、そして企業(yè)がよりイキイキと活気あふれる狀態(tài)へ導くことを目指す」ことを提言しています。
そして、20,000名以上(所屬企業(yè)200社以上)のビジネスパーソンの働き方と健康問題に関する調査を実施し、オフィスでの働き方が仕事のパフォーマンスにどのように結びつくのかを図1の「効果モデル」としてまとめました。

図1:健康経営オフィスの効果モデル

経産省「健康経営オフィスレポート」(平成27年度)より引用

多くのオフィスワーカーが満足していない実態(tài)

こうした取り組みの正當性は、調査結果からもわかります。2017年3月に「(一般社団法人)日本オフィス家具協(xié)會」から発表された「オフィスワーカーから見た、オフィス環(huán)境ニーズのトレンド」を探るための調査の実施と、分析結果を踏まえた提言?提案によれば、多くのオフィスワーカーが、「オフィス環(huán)境の良しあしが、仕事の成果を上げることや仕事に対するモチベーションに影響している」と答えています。
また、「どのようなオフィスに共感するか」という質問に対して、最も多いのは「社員が健康的に働けるオフィス」であり、次が「仕事をすることが楽しく感じられるオフィス」となっています。オフィスで働く人も、ウェルネスを実現(xiàn)できるオフィスに共感しているといえるでしょう。

図2:オフィス環(huán)境に対する満足度

一般社団法人 日本オフィス家具協(xié)會
「オフィスワーカーから見た、オフィス環(huán)境ニーズのトレンド」(2017年)より作成

しかし、現(xiàn)狀のオフィス環(huán)境に対する満足度に関する項目では、満足度は非常に低く、現(xiàn)狀と理想のギャップが非常に大きいといえます。また、オフィスにおける會社のオリジナリティーを感じている人も非常に低い結果となっています。
図2のグラフにあるように、約半數(shù)のオフィスワーカーは、現(xiàn)在のオフィスには満足できていない狀態(tài)となっています。

働き方改革は、オフィス改革から

経営者サイドにとって、ウェルネスを実現(xiàn)するオフィスづくりが経営にも良い影響を與えることがわかっていても、企業(yè)の経営狀況やおかれた環(huán)境によっては、すぐに取り組むことが難しいケースのほうがむしろ多いでしょう。
そのためには、「健康経営オフィスの効果モデル」にある、働き方の7つのポイント(「快適性を感じる」「コミュニケーションする」「休憩?気分転換する」「體を動かす」「適切な食行動をとる」「清潔にする」「健康意識を高める」)について、まず現(xiàn)狀を把握することが必要となります。 オフィスは快適か、気分転換ができる環(huán)境か、健康についての意識を高めることができるかといったテーマについて、現(xiàn)狀を把握する必要があります。そのうえで、社員を巻き込み、優(yōu)先順位をつけ、改善點を計畫していくことが必要でしょう。
労働者の高齢化、減少、人手不足が進む中で、社員が健康でイキイキと働く「健康経営オフィス」への取り組みは、企業(yè)のこれからの成長、人材の確保、社員の成長においても欠かせない課題であるといえます。
働き方改革の実現(xiàn)は簡単なことではありませんが、その第一歩として、オフィスの改革から始めるのも一つの方法ではないでしょうか。

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