これだけは知っておきたい土地活用の用語(5)土地活用に関する稅の用語(前半)
公開日:2023/02/28(2024/04/22更新)
土地活用において「これだけは知っておきたい」用語シリーズの第5回(全6回)。今回は「土地活用に関する稅の用語」(前半)を解説します。
土地活用として賃貸住宅を建築して賃貸住宅経営を行うと、様々な稅を納める必要がありますが、納付のタイミング別に分けると以下のようになります。
- A)賃貸住宅を建築、購入など、不動産を取得した際に発生する稅
- B)毎年発生する稅
- C)賃貸住宅経営で発生する稅
ここでは、「土地活用に関する稅」のうち、「賃貸住宅を建築、購入など、不動産を取得した際に発生する稅」について解説します。
「毎年発生する稅」と「賃貸住宅経営で発生する稅」については、「土地活用に関する稅の用語(後半)」をご確認ください。
稅額の細かい計算(稅率や控除など)は、変更されることや時限措置などもありますので、都度ご確認いただくとして、ここでは「その稅の意味合い」と「いつまでに払うのか」「どこに払うのか」について解説します。
- 稅の種類
- 國稅:所得稅や法人稅、相続稅や贈與稅、酒稅やたばこ稅など國に納める稅
- 地方稅:住民稅や事業稅、固定資産稅など地方自治體に納める稅
- ※消費稅は、國稅(7.8%)と地方稅(2.2%)の両方
- 直接稅:納稅者が直接納める
- 間接稅:事業者を経由して納める(消費稅や酒稅、たばこ稅、印紙稅など)
不動産を取得した際に発生する稅
不動産取得稅(地方稅、直接稅)
土地や住宅の購入、譲渡、贈與、家屋の建築などで不動産を取得したときに、取得した人に対して課稅される稅です。有償?無償の別、登記の有無にかかわらず課稅となります。土地活用で見られる、等価交換による不動産の取得も不動産取得稅の課稅の対象となります。不動産取得稅は、不動産を取得した日から30日以內に、土地、家屋の所在地を
所管する稅務署に納付します。ただし、相続により取得した場合など、一定の條件に該當した場合には課稅されません。
不動産取得稅は、不動産の購入価格ではなく、市町村ごとに設定される「固定資産稅評価額」で算出されます。
登録免許稅(國稅、直接稅)
土地や建物を取得、建物を建築した際には、「誰が所有者か」を明確にするため、登記することが義務づけられています。この登記を行う際に支払う稅が登録免許稅です。具體的には、土地の所有権が売買?相続?交換などで移転した時(移転登記)、建物を新築した時(保存登記)、建物の所有権が移転した時(移転登記)などに発生します。一般的には、登記申請の時に、収入印紙を購入することで稅を納めます。
國稅庁の「登録免許稅の稅額表」によれば、売買による土地の所有権の移転登記の場合、稅率は不動産の価額(固定資産稅評価額)の「1,000分の20」となっています。ただし、令和8年3月31日までの間に登記を受ける場合は「1,000分の15」の軽減稅率が適用されます。相続による土地の所有権の移転登記等については、免稅措置がありますので、國稅庁のホームページをご確認ください。
また、建物の売買または競売による所有権の移転の場合、稅率は不動産の価額(固定資産稅評価額)の「1,000分の20」となっています。個人が、住宅用家屋を新築または取得し自己の居住用に使用する場合については、一定の要件を満たせば、軽減稅率が適用されます。詳しくは國稅庁のホームページをご確認ください。
消費稅(國稅?地方稅、間接稅)
土地には消費稅はかかりません(土地は消費されないため)。一方、建物の購入には消費稅がかかります。例えば、建築費には消費稅がかかりますし、分譲マンションなどを購入した際には、建物相當額に対して消費稅がかかります。現行の消費稅は10%です。消費稅は、直接納付するのではなく、支払い時に業者に消費稅分を渡し業者が納付する、間接稅と呼ばれる納稅スタイルです。
印紙稅(國稅、間接稅)
土地や建物といった不動産購入時に交わす「売買契約書」や、建物を建てる時に交わす「建築請負契約書」には、収入印紙を貼ります。
この収入印紙を購入し、貼り付け、印鑑(割印)を押す、あるいは署名することで印紙稅を納付したことになります。
賃貸住宅経営などによる土地活用を行う際、不動産の売買や登記などにおいて、必ず稅を支払うことになります。稅額の細かい計算(稅率や控除など)は、変更されることや時限措置などもありますので、必ず最新の情報を確認しましょう。また、稅の軽減措置の適用には細かな要件などもありますので、詳細は稅理士にご相談ください。