2021年から動(dòng)き出す新しい住宅政策とは?(4)頻発?激甚化する災(zāi)害新ステージにおける安全な住宅
公開(kāi)日:2021/08/04
POINT!
?頻発?激甚化する災(zāi)害新ステージにおける安全な住宅?住宅地の形成が求められている
?命、生活、資産価値の3つを守るという災(zāi)害対策の目的に沿った対応をしていく
住生活基本計(jì)畫(huà)は、法の基本理念を踏まえ、令和の新たな時(shí)代における住宅政策の目標(biāo)
を「3つの視點(diǎn)」と「8つの目標(biāo)」で示したものです。今回は、「社會(huì)環(huán)境の変化」からの視點(diǎn)の2つ目の目標(biāo)である「頻発?激甚化する災(zāi)害新ステージにおける安全な住宅?住宅地の形成と被災(zāi)者の住まいの確?!工摔膜い埔?jiàn)ていきます。
この目標(biāo)は、今回の住生活基本計(jì)畫(huà)で新しくできた目標(biāo)というわけではありません。災(zāi)害対策は常に私たちの生活の中で意識(shí)されてきました。しかし、地球的規(guī)模で気候が大きく変動(dòng)している昨今、災(zāi)害の規(guī)模やその影響も大きくなっています。2021年7月に熱海で起きた土砂災(zāi)害を見(jiàn)ても、今までの常識(shí)が通じなくなっていることがわかります。この目標(biāo)は、一歩先の狀況を予測(cè)し、先を見(jiàn)據(jù)えた対応が求められていることの大切さを感じられる目標(biāo)となっています。
図1:「社會(huì)環(huán)境の変化」の視點(diǎn)
出典:國(guó)土交通省「住生活基本計(jì)畫(huà)(全國(guó)計(jì)畫(huà))(令和3年3月19日閣議決定)概要」
土地活用上で災(zāi)害対策を行う際にベースとなる発想については、2021年3月のコラム「震災(zāi)から10年を経て再検討すべき『賃貸住宅経営の災(zāi)害対策』」で、以下の通りご紹介しました。
- 1.ご自身が保有される賃貸住宅で「どのような災(zāi)害に遭う可能性があるのか?」を認(rèn)識(shí)することがスタートです
- 2.そのために、リスクマネジメントの発想を活用することが大切です
- 3.災(zāi)害対策の目的は、(1)「命」、(2)「生活」、(3)「資産価値」の3つを守ることです
- 4.防災(zāi)上、技術(shù)的な條件を満たした賃貸住宅を提供することがとても大切です
建物など物的なハード面だけでなく、サービスや管理などソフト面の重要度が高まるなか、私たちが思い描く災(zāi)害対策は、以上のような発想で展開(kāi)されてくるはずです。
新たな住生活基本計(jì)畫(huà)「安全な住宅?住宅地の形成」
新たな住生活基本計(jì)畫(huà)は、「(1)安全な住宅?住宅地の形成」と「(2)災(zāi)害発生時(shí)における被災(zāi)者の住まいの早急な確保」という2つの項(xiàng)目で構(gòu)成されています。このうち、「(2)災(zāi)害発生時(shí)における被災(zāi)者の住まいの早急な確?!工稀⒅鳏藶?zāi)害発生後の行政サイドの話になります。土地活用で私たちが活かせるのは、「(1)安全な住宅?住宅地の形成」からの発想です。災(zāi)害対策の目的を、(1)「命」を守るという視點(diǎn)から考えると、本計(jì)畫(huà)に示された「ハザードマップの整備?周知等による水災(zāi)害リスク情報(bào)の空白地帯の解消、不動(dòng)産取引時(shí)における災(zāi)害リスク情報(bào)の提供」「地震時(shí)等に著しく危険な密集市街地の解消とそれにあわせた地域防災(zāi)力の向上に資するソフト対策の強(qiáng)化、無(wú)電柱化の推進(jìn)。都市化に伴い無(wú)秩序に形成された住宅市街地
における狹あい道路等の現(xiàn)狀分析を行い、防災(zāi)?まちづくり部局等と連攜し重點(diǎn)的に安全性を確保すべき地域の把握と対策を推進(jìn)」に対応することが大切です。
例えば、ハザードマップなどを用いて、現(xiàn)地にどのような災(zāi)害リスクが存在し、どのような対応が求められるのかという情報(bào)を提供します。
このような情報(bào)は、ご自身にとってネガティブな情報(bào)かもしれません。しかし、このような対応をご入居者と接する契約締結(jié)や更新時(shí)に災(zāi)害リスク情報(bào)として積極的に提供できると、信頼関係構(gòu)築に役立ち、長(zhǎng)い目で見(jiàn)てプラスに働くでしょう。日本全國(guó)、どこを見(jiàn)渡しても何かしらの災(zāi)害に遭う可能性はあるからです。
また、私のお客さまが実際にされていることですが、災(zāi)害が発生しても一定期間は、最低限の生活ができるように食料?飲料や発電機(jī)器など備蓄品を、そのための物置などに確保しておくことをおすすめします。すぐに実踐できて、安心感を得ることができるでしょう。
次に、(2)「生活」を守るという視點(diǎn)から考えると、本計(jì)畫(huà)で下記のように示された住宅地の形成に対応することが大切です。
「地方公共団體の防災(zāi)?まちづくり?建築等の部局間連攜を強(qiáng)化し、地域防災(zāi)計(jì)畫(huà)、立地適正化計(jì)畫(huà)等」を踏まえ、
- ?避難計(jì)畫(huà)に基づく避難體制や避難施設(shè)の整備、避難場(chǎng)所の確保と連攜した住宅改修や盛 り土等による住宅?住宅地の浸水対策の推進(jìn)
- ?避難計(jì)畫(huà)や安全対策と連攜した災(zāi)害危険區(qū)域の柔軟な指定や土砂災(zāi)害特別警戒區(qū)域等 の指定を進(jìn)め、豪雨災(zāi)害等の危険性の高いエリアでの住宅?住宅地の立地を抑制
- ?災(zāi)害の危険性等地域の実情に応じて、優(yōu)遇措置等の対象となる立地を限定し、安全な立 地に誘導(dǎo)するとともに、災(zāi)害の危険性の高いエリアにある既存住宅の移転を誘導(dǎo)」
例えば、管轄の行政、市町村でどのような災(zāi)害対応を検討計(jì)畫(huà)されているか、また、災(zāi)害対策という観點(diǎn)から、お持ちの賃貸住宅が、防災(zāi)上どのようなエリアなのかを確認(rèn)しておいてください。
國(guó)土交通省では、以前から「タイムライン」(防災(zāi)行動(dòng)計(jì)畫(huà))を策定していました。災(zāi)害の発生を前提に、防災(zāi)関係機(jī)関が連攜して、災(zāi)害時(shí)に発生する狀況をあらかじめ想定し、認(rèn)識(shí)を共有したうえで、「いつ」、「誰(shuí)が」、「何をするか」という行動(dòng)面に著目して、防災(zāi)行動(dòng)とその実施主體を時(shí)系列で整理した計(jì)畫(huà)のことです。
その中で、災(zāi)害を(1)進(jìn)行型災(zāi)害(風(fēng)水害など)と(2)突発型災(zāi)害(地震など)に分け、事前対応?事後対応を決めていました。
図2:災(zāi)害時(shí)の対応
出典:國(guó)土交通省 タイムライン(防災(zāi)行動(dòng)計(jì)畫(huà))策定?活用指針(初版)(平成28年8月)
この発想をアレンジして、近年激甚化している進(jìn)行型災(zāi)害(風(fēng)水害など)に対応する「マイ?タイムライン」という個(gè)人でも活用できるようなツールも用意されていますので、上手に活用したいもの です。
最後に、(3)「資産価値」を守るという視點(diǎn)から考えると、本計(jì)畫(huà)に示された「住宅の改修による耐風(fēng)性等の向上、耐震改修?建替え等による住宅?市街地の耐震性の向上」「食料、物資、エネルギー等を住宅単體?共同で確保し、災(zāi)害による停電、斷水時(shí)等にも居住継続が可能な住宅?住宅地のレジリエンス機(jī)能の向上」に対応することが大切です。
現(xiàn)在の人口減少と超高齢社會(huì)の対応として、行政も「コンパクトシテ?!梗ń证渭s化?効率化)を進(jìn)めています。例えば、火災(zāi)に弱い木造密集地域などで土地活用を行っている(または計(jì)畫(huà)している)場(chǎng)合、その対策として行政からのサポートも期待できるでしょう。また、お持ちの賃貸住宅が水害に弱い、あるいは地盤(pán)が弱く大地震の際に注意を要すると思われる「災(zāi)害レッドゾーン」や「浸水ハザードエリア」に該當(dāng)する場(chǎng)合、戦略的 にお持ちの不動(dòng)産資産を買(mǎi)い替えるなどの行動(dòng)も必要になるかもしれません。
図3:都市計(jì)畫(huà)法及び都市再生特別措置法の改正概要(安全まちづくり関係)
出典:國(guó)土交通省「水害対策とまちづくりの連攜」(令和2年9月16日)より
具體的成果指標(biāo)
本計(jì)畫(huà)では、以下のような成果指標(biāo)を掲げています。
- 地域防災(zāi)計(jì)畫(huà)等に基づき、ハード?ソフト合わせて住まいの出水対策に取り組む市區(qū)町村の割合 -(令和2年)→5割(令和7年)
- ?耐震基準(zhǔn)(昭和56年基準(zhǔn))が求める耐震性を有しない住宅ストックの比率
13%(平成30年)
→おおむね解消(令和12年) - ?危険密集市街地の面積及び地域防災(zāi)力の向上に資するソフト対策の実施率
面積:約2,220ha(令和2年)
→おおむね解消(令和12年)
地域防災(zāi)力の向上に資するソフト対策: 約46%(令和2年)→100%(令和7年)
市街地対策という観點(diǎn)では、従來(lái)の洪水対策だけではなく、上下水道の逆流など生活インフラからの被害に対処するための取り組みが必要です。
特に都市部ではこの対策が重要でしょう。そして、新耐震基準(zhǔn)(1981年)が導(dǎo)入されてから40年も経つわけですから、その解消にいよいよ動(dòng)き出しそうです。具體的には、舊耐震から新耐震への補(bǔ)修、舊耐震建物の除卻ということになるでしょう。しかし、空き家が舊耐震建物とリンクしていることから、これは同時(shí)に空き家対策にもつながります。最後に、前述した木造密集地域など危険密集市街地の対策に本腰を入れそうです。東京など大都市部に散見(jiàn)するエリアですが、利便性の高い、土地活用には良好なエリアが多いですから、ミニ再開(kāi)発的な動(dòng)きができると思われます。このような流れ(時(shí)流)に上手に乗って、ご自身の土地活用を良好な狀態(tài)にしていきましょう。