コラム vol.080
あなたはどっちの大家さん?! お金持ち or 貧乏 vol.2
賃貸住宅経営のメリットやリスク、不動産と金融商品との違い
公開日:2015/07/31
ご相談いただいている須藤さん、なんとなく漠然とした不安もありイマイチ踏み切れないご様子です。
ここでは、賃貸住宅経営を始めた場合のメリットやリスクについて考えてみましょう。
まず、金融商品との比較です。大まかなものを表にしてみました。
須藤さん:「そういう話もよく聞くのですが、借入して賃貸住宅経営というのは大丈夫なのでしょうか」
もちろん、全てが良いわけではなくやり方次第です。
比較的年配の人の中にはローンには抵抗があるという人もいらっしゃるのですが、最近は実物不動産のここに魅力を感じている人も増えてきています。(厳密にいえば、金融商品も信用取引等の方法はありますが)レバレッジ効果とはどういうものかを、簡単にご説明しましょう。
使える資金が1,000萬円あったとして、金融商品、不動産それぞれで運用することを考えてみます。(話を単純にするため、稅金は考慮していません)
まず金融商品です。運用利回り3.5%を目指す商品を購入するとします。
購入時と保有時のコストが合わせて1.5%かかるとすると、殘りが2%。1,000萬円の運用資金であれば、20萬円/年ですね。
一方、不動産の場合です。
価格5,700萬円の物件を、借入5,000萬円(金利2%、25年)で購入したとします。(自己資金の內訳は頭金700萬円、諸経費300萬円)表面利回りが8.5%の場合、満室家賃収入は484萬円。空室率+経費率で22%とすると、殘り378萬円。ここから借入返済254萬円を差し引くと、124萬円です。
借入によりレバレッジ効果があるため、先ほどの金融商品の場合20萬円よりも殘金は多くなり、自己資金1000萬円に対する投資としては、12%程度となります。(家賃収入の減少や経費率の増加などによって利回り低下の可能性はあります)
これは土地を保有していない場合ですので、もともと土地をお持ちでそこに建築するのであれば、その分収益性も上がります。
このように、ローンをうまく活用できれば資産効率を上げることができるのが不動産です。
またこのレバレッジをどのくらいかけるのかも、自身で決めることができます。リスクを極力抑えたい人は、頭金を多めにしたり、繰り上げ返済を計畫的に行ったりしてください。
須藤さん:「でも、空室なんかで収入が減る可能性もあるわけですよね?」
その通りです。賃貸住宅経営は空室等により経費の変動がありますので、そこは不確定要素として認識しておく必要があります。ですので、空室率+経費率も、20~25%程度見ておくなど幅を持たせておきます。(立地や築年數、時期によっても変わりますので、具體的な物件を検討する際に、個別にシミュレーションをします)空室という話が出たので、ここで不動産の主なリスクとそれを極力抑えるための視點についても觸れておきましょう。
- ?空室?家賃減少:事前のマーケティング、ニーズにあった物件づくり
- ?ご入居者とのトラブル:管理會社等、専門家との連攜
- ?金利上昇:金利上昇した場合の事前シミュレーション、繰り上げ返済の準備
- ?不動産価値下落:不動産の価値は収益性で決まるという考え方(収益還元法)を踏まえた活用
- ?建物老朽化:計畫的な修繕計畫と積立
- ?自然災害:保険等でどこまで補てんできるか
須藤さん:「なるほど。いろいろあるけど、全部自分でなんて、とても難しい気がします」
不動産に攜わったことのない人なら當然です。
これらは全て自分がやるわけではなく、それぞれの分野の専門家にアドバイスを受けながら進めていきます。ですので、不動産はチームワークが大切になってくるのです。
いかに良いチームをつくることができるかが、不動産投資?賃貸住宅経営成功の鍵になると言えます。
【 ポイント 】
- ?信頼できるチームの中で自身が決斷し進めていくことにより、収益向上が可能だというメリットを理解する。
- ?適切な借入は「事業」の効率を上げるもの。借りたお金で自らが消費をするものとは性格が異なる。
- ?リスクには何があるかを、事前に具體的に把握し備えをしておく。