【最新版】これだけ!土地活用の基本第6回 難しくない!土地活用における利回りの考え方
公開日:2020/09/30
投資の考え方の基本
土地活用を行う目的はオーナー様によりさまざまです。
相続に絡んで稅効果を考える、遊休地を活用して収益を得たい??、などありますが、お金をかけて賃貸住宅を建てるわけですから、「投資を行う」という側面があることは間違いありません。また、新たに土地を購入してそこに賃貸住宅を建てる場合は、いうまでもなく不動産投資です。投資という意味では「株式の購入」「國債の購入」などと同じといえます。
投資はリターンを(収益)を得るためにリスクを負うことでスタートします。リターンをどれくらい期待するのかは、それぞれ異なります。國債のようにリスクがほとんどない(とされている)投資の場合はリターンが少なくなります(=ローリスク?ローリターンの投資)。逆にブレ幅の大きな銘柄の株式などへの投資は、ハイリスク?ハイリターンの投資といえます。つまりリスクとリターンは比例するということです。
冒頭に述べたように「賃貸住宅経営は投資」ですので、これから賃貸住宅経営を始めようとお考えの方は「最低限の投資に関する知識」を知っておくとよいでしょう。
手殘り金額の指標:キャッシュフロー
「どのくらいのお金が殘るか」、これがキャッシュフローです。
賃貸住宅経営における収入①
賃料、共益費、駐車場?駐輪場などの賃料(空室、未回収を除く)
(それ以外)
敷金禮金などのうち、返還しなくてよい費用等
賃貸住宅経営における支出②
管理會社への管理代行費
維持管理費
修繕関連費等
①-②=純営業利益(NOI)③
①から②を引いたものを純営業利益NET OPERATE INCOME(NOI)と呼びます。
そして、
③からローン返済を引いたものがキャッシュフロー(CF)
となります。
利回りの指標:表面利回りとNOI利回り
次に、利回りに関する指標についてです。
一番シンプルな利回りの指標は、家賃収入の総額を物件購入額で割り戻した計算方法で、「表面利回り」と呼ばれます。
上記①の収入(年間)÷(物件関連費+諸経費など)×100=表面利回り
※物件関連費用:建物建築費、外溝他付帯工事関連費。
※諸経費:建物を建てる(住宅、その他)時にかかる、稅?保証料?保険といった雑費。
一般的に利回り計算で使われるのは、収入から経費を引いたものつまり純粋な利益(NOI)を投資金額で割る計算方法で、「NOI利回り」と呼ばれます。
上記③(年間)÷(物件関連費+諸経費など)=NOI利回り
他にもいくつか利回りの計算方法がありますが、まずはこの2つを覚えておけばいいでしょう。
土地活用?賃貸経営における適切な利回りとは?
利回りは、「投資するかどうか」の判斷基準になります。「何%くらいの利回りが適切か」ということが問われますが、これに対する回答は、「狀況により全く異なる」が正解です。
同様に、キャッシュフロー(手殘り額)で判斷される方もいます。「毎月、あるいは毎年○○萬円くらいは利益が欲しい」ということですが、これも「いくら以上だと、投資として相応しい」という明確なものはありません。狀況により異なるからです。
また、立地により、同じような広さ?設備の部屋でも賃料が異なりますから、利回りも変わってきます。また、建物のグレードにより、賃料が異なりますので、ここでも利回りが変わってくる可能性があります。さらに、不動産の市況によっても異なってきます。このように、「適切な利回り」というものはありません。
そのため、営業擔當者から、建てようとしているエリアにある、同グレードの賃貸住宅におけるその時點での平均的な利回り、一般的なキャッシュフロー(手殘り額)を聞いて想定通りか判斷すればよいでしょう。
土地を購入しての賃貸経営と利回りについて
土地活用として賃貸経営を始める場合は土地を購入しませんので、一般的には土地価格はゼロ円で計算します(もちろん、直近の相場価格を仮の投資価格としてみてもいいと思います)。そのため、「土地を購入して、そこに賃貸住宅を建てる」という場合に比べて高利回りになる可能性が高くなります。
逆に、土地を購入して、そこに賃貸住宅を建てる場合、利回りは低くなり、キャシュフローも土地活用パターンに比べて低くなりますが、住宅ローンの返済が終わると購入した土地が手元に殘ります。