特集:賃貸住宅経営 6大リスクの回避法 賃料下落はどうすれば避けられるのか?
公開日:2018/05/31
更新日:2021/04/23
6回シリーズ「賃貸住宅経営の6大リスク」の第2回目。前回は「空室リスクの回避法」についてお伝えしました。第2回目は「賃料下落」のリスクについて考えてみましょう。
経済狀況と賃料の関係
賃料下落可能性の要因は、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つ目が、マクロ経済の変化です。経済が冷え込み、デフレ基調(diào)の時には賃料下落圧力がかかります。逆に、経済狀況がいい時には上昇圧力がかかります。民間家賃(公的な賃貸物件以外というイメージ)も物価の1つですので、これは當(dāng)然の流れと言えます。
しかし、賃料には「遅効性」という性質(zhì)があり、好景気になると直ちに家賃上昇ということにはなりません(下落も同じです)。賃貸住宅の契約は、2年、3年ごと更新というのが一般的ですので、2~3年以上の好景気、不景気が続くとみられる現(xiàn)象です。ちょっとした単年の景気変化では、あまり大きな変化はないということです。例えば、2013年以降、経済市況?不動産市況とも好調(diào)でしたが、賃料上昇が數(shù)字見られるようになったのは、2018年頃以降のことです。また、家賃の上昇は、大都市部から地方主要都市への波及が見られましたが、過疎化が進(jìn)むような地方では変わらずの狀況のようです。
図1:インフレ率とCPI家賃増減率の比較(全國)
インフレ率:IMF資料、CPI家賃指數(shù):総務(wù)省統(tǒng)計局「全國消費(fèi)者物価指數(shù)」より作成
図1はインフレ率と家賃の関係を示したものです。
(注:CPI=消費(fèi)者物価指數(shù)のこと。コアCPIは、消費(fèi)者物価指數(shù)の算定項目から、変動の大きい生鮮食料品関連を除いたもの)
これを見ると、2013年頃から日銀の政策もあってわずかにインフレ狀態(tài)でした。加えて、消費(fèi)稅増稅のあった2回(2014年は3%(=消費(fèi)増稅分)近いインフレ)、(8%から10%への2019年あたり)での影響もグラフから分かります。しかし、家賃は全國的にみれば、2019年頃から上昇に転じています。
空室率の増加と賃料下落リスク
2つ目の要因は、空室率の増加です。
空室が増え、また空室期間が長くなると、貸主としては、「賃料ゼロが続くよりは、家賃を下げてでも、住んでもらいたい。」という考えになります。
サブリース契約が結(jié)ばれている時にでも、空室が増え、それが長引くと、更新時にサブリース契約賃料の改定が行われる(賃料下落)可能性が高まります。
周囲に空室物件が増えてくると、どこか1つの部屋が家賃を下げて入居募集を行えば、それに呼応するように、周辺家賃相場が下がります。
大規(guī)模な賃貸マンションが複數(shù)存在するような場所では、入退去の期間の関係から、どこかの部屋があいていることが多いですから、募集の部屋よりも入居希望者が少ない場合、需給バランスが崩れ、家賃下落の可能性が高まります。
また、新築時に周辺相場よりもかなり高めの設(shè)定をしている時など、入居希望者が家賃の高さから敬遠(yuǎn)してしまい、入居募集會社が「空室が目立つ不人気物件」との印象を付けてしまい、その後スムーズな入居募集が行えないこともありますから、周辺相場を踏まえた、その時點での適切な賃料設(shè)定が求められます。
図2:建築時期別 民営借家の1ヶ月あたりの家賃(平成30年データ)
※共益費(fèi)?管理費(fèi)は含む
総務(wù)省統(tǒng)計局「平成30年住宅?土地統(tǒng)計調(diào)査」より作成
そのため、収益シミュレーション上では、しっかりとその下落分を見込んでおかなければなりません。
家賃の想定以上の下落は、収益シミュレーションに大きな差異を生みますので、ぜひ參考にしてください。