土地活用の経済學(xué)(4)~不動(dòng)産市況を見(jiàn)る目を養(yǎng)う講座~第4回「今、アパートは建てすぎか?: 第三象限」
公開(kāi)日:2017/01/31
新聞などの報(bào)道では、近年においてアパートが建てすぎではないかということが言われています。そのため、日本銀行からは、アパート向けの融資が過(guò)剰ではないかといった指摘がなされ、金融庁もまたアパートローンの貸し出しに対して厳格なリスク管理を各金融機(jī)関に求めるようになってきました。
果たして、アパートの建築は過(guò)剰なのでしょうか。このような建築行動(dòng)は、どのような意思決定の下で行われているのでしょうか。または、行われるべきなのでしょうか。
今回は、第一回で示した四象限のモデルの中における、第三象限の建築著工市場(chǎng)について考えてみることとします。
ストック?フローモデルと呼ばれる住宅市場(chǎng)を説明するモデルでは、第三象限の「建築著工市場(chǎng)」は、第二象限で決定された資産価格と、建築費(fèi)との関係において決定されることを示しました。
投資家は、建築したアパートの価格が土地と建物の建築に必要とされる費(fèi)用が上回る限り投資することが合理的であるということを示しました。つまり、アパートを建てるか建てないか意思決定は、その不動(dòng)産(アパート)の経済価値が高いほど、建築したいと考える人が多くなるわけですが、建築費(fèi)(C)との兼ね合いで最終的に決定されるわけです。
高い価格で取引されているとしても、建築費(fèi)が高ければ手元に殘る利益は小さくなるために、慎重に市況を見(jiàn)極めながら、意思決定をしていかなければならないことになります。
また、アパート投資は、家賃収入を求めて実施していると言われます。しかし、例えば過(guò)剰供給になって第一象限において家賃が低下すれば、第二象限で決定される資産価格が低下するわけですから、家賃収入の最大化を追求したアパート投資であるとしても、価格と建築費(fèi)との関係で決定されるといっても間違いないわけです。
それでは、アパートの価格は、ここ數(shù)年上昇しているわけですが、建築費(fèi)の動(dòng)きはどのようになっているのでしょうか。また、今後、どのようになっていくと考えたらいいのでしょうか。
アパートを建てる場(chǎng)合の建築費(fèi)、いわゆる工事費(fèi)の構(gòu)成を整理したものです。アパート建築市場(chǎng)においては、木材や鉄骨等々の材料を仕入れて、大工さんなどがそこで付加価値をつけることで、建物として完成していくわけです。
もちろんここに、受託會(huì)社(あるいはディベロッパー)の利潤(rùn)が追加されます。経済學(xué)でいう生産関數(shù)というものにおいては、設(shè)計(jì)士が図面を引き、それに基づき木材や木材や鉄骨等々の原料と大工さんなどの労働力を投入して、アウトプットとしてのアパートが出來(lái)上がってくると考えるわけです。
つまり、アウトプット価格とは、地主さんが自身の所有する土地を活かす、または投資家が土地を仕入れる、そこに建物を建てることができる価格、または費(fèi)用を意味しており、インプット価格とは設(shè)計(jì)費(fèi)や材料または労務(wù)費(fèi)などを含む工事費(fèi)、その現(xiàn)場(chǎng)を監(jiān)督していくための管理費(fèi)、材料などを輸送する運(yùn)搬費(fèi)から構(gòu)成されることになります。
直接工事費(fèi)の中を細(xì)かく見(jiàn)ると、仮設(shè)工事に始まり、土地を整地していくためる土工事、地業(yè)?基礎(chǔ)工事や建物を建築していくための鉄筋工事などに分類(lèi)され、その費(fèi)目の內(nèi)訳は、材料費(fèi)、労務(wù)費(fèi)、機(jī)械器具費(fèi)、運(yùn)搬費(fèi)などに分かれていくわけです。
近年においては、東日本大震災(zāi)の復(fù)興事業(yè)やオリンピックに向けての公共事業(yè)、大規(guī)模ビルの建築ラッシュなど建築需要が拡大する中で、材料費(fèi)、労務(wù)費(fèi)、機(jī)械器具のリース料、などの高騰もあり、その費(fèi)用は高止まりしてきました。そのために、このモデルから考えると、アパートの価格も高騰しているものの、建築費(fèi)も上昇しているわけですから、投資家は、そのバランスを見(jiàn)て建築するかどうかの意思決定をしているわけです。
それでは、それぞれのファクターは今後においてどのように推移していくでしょうか。2017年にはいったん落ち著きを見(jiàn)た時(shí)期もありましたが、再度、材料費(fèi)が上昇し始めています。その理由としては、少子高齢化の中でマクロ的な労働人口の減少が始まり、人材が不足する中で労務(wù)費(fèi)が上昇してきているためです。この傾向は、今後も継続されるものと考えられます。さらに、鉄の供給も縮小してきました。鉄の生産の多くは中國(guó)に依存してきたわけですが、中國(guó)國(guó)內(nèi)の需要が持続的に伸びているとともに、生産そのものの調(diào)整に伴う供給減の影響が出てきています。この傾向も當(dāng)分継続されるとみられています。このような建築費(fèi)が高止まりしている、または上昇している中で、減少傾向にはあるといいつつも、一定の建築著工が続いているということは、人口減少が著しい地方都市を除けば、潛在的な底堅(jiān)い需要があると考えてもいいのかもしれません。
建築費(fèi)が高騰しているように見(jiàn)えているのは、建築會(huì)社が儲(chǔ)けようと思って利潤(rùn)を上昇させているわけではなく、材料や労務(wù)費(fèi)が上昇しているものと予想されます。ここで斷定できないのは、殘念なことに、わが國(guó)では業(yè)者の利潤(rùn)も含めた、建築費(fèi)のアウトプット価格指數(shù)が未整備のために、市場(chǎng)動(dòng)向がわからないのです。
この問(wèn)題は、內(nèi)閣府の統(tǒng)計(jì)委員會(huì)でも問(wèn)題視されており、その統(tǒng)計(jì)の改善が要求されているのですが、各方面の協(xié)力がなければ、統(tǒng)計(jì)の整備はできません。建築市場(chǎng)の健全化のためにも、投資家の意思決定の支援のためにも、アウトプット価格としての建築費(fèi)指數(shù)の整備は進(jìn)められなければなりません。
もう一つ見(jiàn)落としてはならない點(diǎn)は、建て替え需要です。建築著工戸數(shù)が伸びているといっても、もともとあったアパートを壊して建て替えている場(chǎng)合には、純粋な意味での供給が増えているとは言えません。空室率などに影響を與えるのは、需要に対応したストック量であって、フローの供給量ではありません。ある研究では、近年におけるアパートの建築の多くは建て替えによるものであるといった報(bào)告も出ています。そうすると、ストック調(diào)整がどのようになされているのかということに注意しなければなりません。このことは、第四象限で説明するものであり、次號(hào)で解説します。
最後に、建築著工市場(chǎng)において注意しなければならないのが、機(jī)會(huì)費(fèi)用という考え方です。仮に、アパート投資をした人が、その投資をしなかったとすれば、投資をしたことによって得られたリターンを失うことになります。
投資意欲がある人が投資をしているわけですから、その人は、アパート以外への投資を行うはずです。その時(shí)のリターンとリスクが、アパート投資によって得られるリターンとリスクと対比して、どちらが大きいのかということを考えないといけません。また、相続稅対策としてアパート投資をしている人は、それ以外の節(jié)稅効果と比較して、どちらが経済的な優(yōu)位性があったのかどうかといった比較をしていかないといけないわけです。このような尺度で投資判斷をすることを、機(jī)會(huì)費(fèi)用法といいます。
一定の數(shù)量でアパート投資が持続しているのは、このような機(jī)會(huì)費(fèi)用を考慮したうえで、アパート投資のリスクに対応したリターンが高いと考えている人が多いということの証左ということになります。
また、デベロッパーが住宅に投資するのは、住宅投資が儲(chǔ)かるときに必ず実施するというものでもありません。住宅投資もリターンは高いが、商業(yè)施設(shè)投資の方が一層儲(chǔ)かるということであれば、會(huì)社としての資源を住宅から商業(yè)施設(shè)へと移すこともあります。このような行動(dòng)も、機(jī)會(huì)費(fèi)用という概念を使えば説明ができるのです。
要約すれば、建築著工市場(chǎng)での投資家の行動(dòng)は、資産価格と建築費(fèi)用、そして、機(jī)會(huì)費(fèi)用という3つの要素によって説明することができます。そして、そのような意思決定を支援するためにも、材料費(fèi)や労務(wù)費(fèi)の持続的な上昇が予想される中でデベロッパーが不當(dāng)に利益を得ていないことを証明するためにも、アウトプット価格としての建築価格指數(shù)の整備が急務(wù)と言えるでしょう。