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コラム No.30-2

CRE意識調査レポート

アンケート調査に見る、企業のCREに関する意識【2】CRE戦略の目的、今後に対する期待

公開日:2017/03/31

企業は、CRE戦略の観點からどのように不動産資産をとらえているのか、不動産資産を有すると答えた全國のビジネスパーソン(経営者ならびに部門?部署責任者)300名にアンケート調査を行いました。
2回目は、企業幹部の方たちが抱く、「CRE戦略の目的」「今後への期待」に関して探っていきます。

詳しい回答者プロフィールについては、コラムNo.30-1をご覧ください。

【CRE戦略の目的】

Q:企業不動産(CRE)戦略は何のために必要だと思いますか。

「CRE戦略」の目的を聞いた質問は、かなりばらついた結果となりました。企業にはそれぞれ固有の課題があることが分かります。數値が高い項目は、やはりキャッシュフロー改善や経営指標改善、コスト削減といった、企業経営に直結する課題です。
また、老朽化などに伴うリスク対応(20.3%)やBCP対応(9.7%)、環境問題(4.7%)といった経営以外の課題を抱える回答者も多くあり、企業にはそれぞれ固有の課題があることがわかります。この結果は、「CRE戦略」の目的は多岐にわたっていること、企業の保有する不動産が企業の経営問題に深く関與しているととらえられるでしょう。

企業不動産(CRE)戦略の目的

企業不動産(CRE)戦略の目的/従業員規模

CRE戦略の目的が企業規模によってどのように異なるのかを分析してみます。「キャッシュフローの改善」に関しては大企業も中小企業も同様に挙げていますが、ROAなどの「経営指標の改善」や「コスト削減」に関しては、大企業のほうが高くなっています。大企業のほうが保有する不動産も大きく、経営指標に與える影響も少なくないということでしょう。
逆に、事業承継という目的は、中小企業のほうが高い傾向にあります。

クロス集計 企業不動産(CRE)の目的 × 従業員規模

企業不動産(CRE)戦略の目的/企業不動産(CRE)への取り組み意欲

CRE戦略の目的と取り組み意欲の関連を分析してみると、「主要戦略として取り組む」企業の多くは、経営指標の改善やキャッシュフローの改善という明確な目的意識を持って取り組んでいるようです。また、「今後の課題である」とする企業は、多くの課題が見え隠れしており、焦點が絞り切れていない傾向もうかがえます。さらに「どうすればいいか分からない」とする企業は、全體的に目的意識が低い傾向です。逆にいえば、明確な課題を持つ企業ほど、CRE戦略への取り組みも力が入っているといえそうです。また、「今後の課題である」とする企業、「どうすればいいか分からない」とする企業が「M&A対策」を挙げているのも注目點です。さらに、現在の取り組みが不十分だとする企業ほど、単に「コスト削減」という課題が増加します。
CRE戦略は、不動産の活用法ではなく、経営課題といかに対応させるかという問題になっているようです。

クロス集計 CRE戦略に期待すること × 企業不動産(CRE)の活用戦略

【CRE戦略に期待すること】

Q:現在はできていないが、今後CRE戦略に期待することは何ですか。

CRE戦略によって將來期待できることについて聞いた質問です。財務上のバランスの適正化、主要事業への貢獻、ポートフォリオの最適化、新規事業への活用など、CREの本質ともいえる前向きな答えが上位を占めました。
「CRE戦略の目的」に関する質問では、企業それぞれに固有の要因があることがわかりました。ところが、この質問はマルチアンサー方式にもかかわらず、一人の選択數が平均2.7個と低調で、CRE戦略が複數の課題に対応できるという意識はまだまだ少ないといえるでしょう。

今後CRE戦略に期待すること

CRE戦略に期待すること/現在の活用狀況

CRE戦略への期待と現在の活用狀況の関連を見てみると、すでに自社の業務に関連して活用している企業は「特に期待することはない」が多くなっています。これは十分に活用できているとの認識の反面、「決まった使い道しかできない」と考える企業もかなり多く存在するということなのでしょう。
業務とは関係のない自社活用の企業は、財務、事業への貢獻、現金化などに対する期待度が高く、より効果的な活用法を図りたいと考えているようです。
さらに、現在「遊休土地になっている」と答えた人は、焦りからか新規事業への意欲、コスト削減、リスク管理、現金化などへの危機感を持っているようです。他社への賃貸を行っている企業も、CRE戦略に期待すると答えた人が多く、財務上のバランス、新規事業への活用、本業支援などへの期待が多くなっています。

クロス集計 CRE戦略に期待すること × 土地?不動産使用用途

CRE戦略に期待すること/現在の活用に対する満足度

CRE戦略への今後の期待と現狀の不動産活用の満足度との関連について見てみると、「現狀に満足されている」企業は固有の課題に対する期待は高くないようです。現狀の活用で問題ないし、ほかに課題意識も少ないということなのでしょう。
「すでにほかの活用法に取り組んでいる」「ほかの活用法を検討している」「活用法を探している」企業は、やはり意識も高く、事業への貢獻、財務上、ポートフォリオ上の課題に対する意欲が高くなっています。
良い方法が分からないとする企業はコスト意識が高く、當然ながら「遊休不動産」がある率が高くなっています。。

クロス集計 CRE戦略に期待すること × の活用法に対する満足度

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