代々木駅から徒歩1分の「代々木VILLAGE by kurkku(クルック)」。この中にそら植物園がプロデュースした庭があり、約650坪の敷地內に120種近い植物が集められている。(2020年閉館)
寫真提供:そら植物園
―― 「そら植物園」を作ったきっかけは?
一つは、日本の植物業界は生産者と飾る人が別だということ。海外の途上國などでは、畑で花を育てている人が収穫し、店に持っていって飾る。日本は流通が成熟しているがゆえに、生産者と表現者の距離があって、生花店、庭師、造園業者など、世の中に植物の表現をもたらす仕事をしている人でも、我々のような生産卸業者が當たり前に目にする植物の育つ姿を知る機會が少ないのです。
―― 意識したことはなかったですが、我々消費者も、生花店や庭師、造園業者も、目にするのは、花が咲く前後の短い期間に限られているというわけですね。
花が世に出るのは、開花のピークに向け仕上げられた一瞬でしかありません。その花がどこでどのように育てられ、どうやって運ばれたのかは知るよしもない。そういった慣習を壊すため、自分の名前を表に出したプラットフォームを作りたかったんです。
なぜその場所に、その種類の植物が必要なのか?という背景まで把握した上で世の中に伝える。長年卸業で培った目利きで集めた植物の質と、信頼関係を築いてきた庭師や盆栽師といった施工業者との間に築いてきた信頼関係は誰にも負けないという自負がある。
プロジェクトにぴったりな植物と表現者を組み合わせ、その植物のストーリーも伝えられるような提案をすることができるシステムというわけです。
―― 新しいシステムですが伝統の蓄積が生かされているのですね。具體的に「そら植物園」ではどのようなプロジェクトを手がけていますか?
「そら植物園」の立ち上げ時期には、日本中の桜を集めて一斉に咲かせて「桜を見上げよう」というイベント、「Sakura Project」を東京?有楽町で開催しました。
東日本大震災の翌年に47都道府県から集めた桜を、一つの大きな植木鉢の中で、ある日一気に満開にさせる。同じ日に咲くはずがない地域の異なる桜を同時に花開かせることで、「日本は一つ」という復興を祈願するメッセージとして受け入れてもらえました。
あえてデザイナーは入れずに、それぞれの桜の産地にゆかりの深い植木職人に協力してもらって実現させたのですが、翌日のニュースで大々的に取り上げていただいたおかげで、多くの方に見てもらえたのは嬉しかったですね。
有楽町に47都道府県の桜を一堂に集め一斉に開花させた。
寫真提供:そら植物園
文章:杉山元洋 寫真: 長谷川靖哲
Sustainable Journeyは、
2024年3月にリニューアルしました。
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