電話:043-216-0090
プール使用料(2時間):一般/300円、65才以上(千葉市にお住まいの方)/240円、中?高校生/200円、小學生以下/100円

こてはし溫水プール(外部サイト)

清掃工場の余熱を利用して電気?ガス料金約4,100萬円を削減

この施設には、隣接する千葉市北清掃工場の余熱が使われています。溫水プールの昇溫のほか、施設全體の冷暖房、床暖房、給湯、照明などをまかなうことで、なんと年間で電気は約2,800萬円、ガスは約1,300萬円の削減効果があるのだとか。施設にどのように余熱が供給され、使われているのかを案內してもらいました。

溫水プールなどに蒸気や電力を供給する千葉市北清掃工場

余熱利用システムの模式図

余熱利用システムの手順

焼卻爐の熱を蒸気に換えて無駄なく使うサステナブルなシステム

まずは千葉市北清掃工場の見學からです。千葉市では北清掃工場を含めた3つ(2017年2月6日掲載時點)の清掃工場で、年間で約25萬トンものごみを焼卻しているといいます。

ごみ収集車で運び込まれたごみはプラットホームからごみピットへ投入される

投入ホッパ ごみピット

ごみピットに貯められたごみは、巨大なクレーンで撹拌してから投入ホッパを通じて焼卻爐に送られる

焼卻爐內の溫度は、800℃以上という高溫に。焼卻爐と接するようにボイラを設置し、蒸気というかたちで熱エネルギーを回収します。この蒸気が、「こてはし溫水プール」に送られるわけです。

また、ボイラで発生した蒸気の一部は蒸気タービンに送られ、発電も行われています。発生した電気は工場內の電力をまかなうほか、プール施設にも供給されています。

電気をつくるしくみ

ボイラで発生した蒸気で電気をつくるしくみ

蒸気を清掃工場からプール施設に送るのは、地中に埋められた大きな配管です。「蒸気にはたくさんの熱エネルギーを蓄えられるので、蒸気というかたちで送れば溫水に比較して利用効率が高いのです」と、設備の維持管理を擔當する佐久本亮さんは説明してくれました。

余熱を利用するためには建物が隣接している必要はありませんが、配管で蒸気が送られるため、配管の距離は短いほど熱エネルギーの損失は少なく、高効率で利用できるとのこと。

プール施設側で受け取った蒸気の熱は、熱交換器で水を溫めるのに使われる

プールの水は汚れを濾過しながら適溫に管理されている

"余熱利用"でCO2排出量を抑制するサステナブルで親しみのある施設は
地域の人々の健康増進と地球溫暖化の防止に寄與していました

ごみ処理施設から余熱を供給されることで、「こてはし溫水プール」は電気と都市ガスの消費や、CO2排出量を抑えることができています。

「余熱の利用がまったくない場合、年間で約6,000萬円に相當するエネルギーが使われます。しかし、清掃工場の余熱を利用することで、電気とガスを合わせて年間で約4,100萬円の節約となる試算が出ました」と佐久本さんは説明します。地球溫暖化を防止するだけでなく、節約にも役立っているのですね。

このように、「こてはし溫水プール」はごみの処理で生まれる熱を賢く利用するサステナブルなエネルギーシステムによって、誰もが気軽に楽しめ、地域の人々からも長く愛される施設になっていました。

教えてくれた人

佐久本 亮さん

こてはし溫水プール 維持管理責任者

「この施設が地域の健康促進に役立ち、未來のオリンピック選手を輩出するようなスポーツ振興のキッカケになれば嬉しいですね」

他にも、宮崎県延岡市の「ヘルストピア延岡」や、太陽エネルギーも併せて利用している愛媛県松山市の「アクアパレットまつやま」など、隣接するごみ処理施設の余熱を利用するプール施設は日本全國に數多く點在しています。

環境省でも、平成28年度に「廃棄物焼卻施設の余熱等を利用した地域低炭素化モデル事業」に対する補助金を設定しています。余熱利用の用途は、今まで一般的だったプール?溫浴施設?福祉施設などに留まらず、農業や漁業などその土地に合ったものへの拡大がもうすでに検討され始めているようです。

千葉市北清掃工場の仕組みを現す全體模型。中央付近が焼卻爐で、隣接するボイラで熱エネルギーを回収する

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