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コラム vol.436
  • 不動(dòng)産市況を読み解く

日銀の政策変更の影響は?2022年新設(shè)住宅著工戸數(shù)分析と2023年の見通し

公開日:2022/12/27

POINT!

?2022年の持ち家著工戸數(shù)は、前年同月比マイナスが続いた。住宅ローン金利上昇の兆しから、2023年も厳しい狀況が続くことが予想される

?2022年の貸家著工戸數(shù)は、昨年に続き好調(diào)が続いた。2023年も今年並みの34萬戸前後になると予想される

2022年の住宅市場は、持ち家(注文住宅)と貸家(主に賃貸用住宅)で明暗の分かれた結(jié)果となりました。持ち家は2021年12月以來前年同月比マイナスが続いており、一方で貸家は2021年3月以來1年半以上も前年同月比プラスが続いています。
賃貸住宅投資市場は昨年から引き続き活況で、2022年10月時(shí)點(diǎn)のキャップレートが東京?城南エリアでは3.9%前後(ワンルームタイプ:1棟)で推移、調(diào)査開始以來初めて4%を下回りました。
12月20日に発表された日銀の國債買い入れの政策変更(後述)が気になるところですが、活況が続いている狀態(tài)です。
2022年の新設(shè)住宅著工戸數(shù)の狀況と著地予測、そして2023年の賃貸住宅?貸家市場について考えてみたいと思います。(執(zhí)筆時(shí)點(diǎn):2022年12月21日)

2021年の新設(shè)住宅著工戸數(shù)はどれくらい回復(fù)したのか?

住宅市場を分析する基幹統(tǒng)計(jì)である「新設(shè)住宅著工戸數(shù)」は、毎月末に前月分が國土交通省から公表されます。本原稿執(zhí)筆時(shí)點(diǎn)では、2022年10月分までの公表となりますが、2022年の狀況がおおむね見えてきました。
2022年1~10月の新設(shè)住宅著工戸數(shù)は、総數(shù)71萬9,908戸、持ち家21萬2,008戸、貸家28萬8,362戸、分譲(マンション?戸建の合計(jì))21萬4,645戸となっています。単純にこれを年換算すれば、2022年年間の総數(shù)は86萬3,000戸、持ち家約25萬5,000戸、貸家34萬4,000戸、分譲約25萬8,000戸となります。

図1:2022年の月別新設(shè)住宅著工戸數(shù)

國土交通省「新設(shè)住宅著工件數(shù)」より作成

図1は、2022年(1~10月)までと2021年合計(jì)の新設(shè)住宅著工戸數(shù)の推移を示しています。
2021年末のレポートでは、昨年の新設(shè)住宅著工戸數(shù)合計(jì)の著地の數(shù)字を、10月までの數(shù)字の推測から、「2021年は2020年を上回ることは確実で、86萬戸前後で著地するものと思われます。いくつかのシンクタンクでは83萬戸前後の予想でしたが、それは上回る見込みです」と予想しました。結(jié)果は85萬6,484戸となり、おおむね予想通りとなりました。2023年分の予測は本稿の最後にしたいと思います。

物価の上昇はどれくらい?

我が國では、2022年の半ばから物価上昇が顕著になっています。

図2:消費(fèi)者物価指數(shù)(生鮮食品を除く総合)前年同月比の推移

総務(wù)省統(tǒng)計(jì)局「消費(fèi)者物価指數(shù)」より作成

図2は、2022年1月以降の我が國の全國消費(fèi)者物価指數(shù)(コア指數(shù):変動(dòng)の大きい生鮮食料品を除いたもの)です。これを見れば、4月には日銀が2013年以降目標(biāo)としてきた前年同月比+2%を超え、直近の10月分では+3.6%となっています。
一方、2021年中は、「ウッドショック」といわれた世界的な木材価格の上昇により、我が國においても木材を多く使う住宅工事費(fèi)が上昇しましたが、企業(yè)物価指數(shù)を見れば、2022年7月以降木材価格が少し下落基調(diào)にあることが分かります。

また、図3の建設(shè)工事費(fèi)デフレーターを見ても、2022年3月以降、上下幅はあるものの、9月時(shí)點(diǎn)では3月とそれほど変わらない狀況です。
しかし、2021年1月の時(shí)點(diǎn)からは、円安、エネルギー価格の上昇、そして人件費(fèi)の上昇などが相まって、全體的に建築関連費(fèi)用は上昇していると言えるでしょう。

図3:建設(shè)工事費(fèi)デフレーターの推移

國土交通省「建設(shè)工事費(fèi)デフレーター」より作成

持ち家著工戸數(shù)の狀況

図4は、2022年1~10月の新設(shè)住宅著工戸數(shù)の「持ち家」の月別の推移と2021年同月比です。

図4:建設(shè)工事費(fèi)デフレーターの推移

國土交通省「建設(shè)工事費(fèi)デフレーター」より作成

昨年(2021年)は、2020年に大きく落ち込んだ反動(dòng)に加えて、働き方?住まい方などライフスタイルの変化により、郊外へ住まいを求める方が増えました。都心のマンションを売り、郊外に土地を購入し、そこに自身の理想とする家を建てる、という方々です。そのため、建築費(fèi)上昇にもかかわらず、前年同月比で大きく増えました。
しかし、こうした需要が一巡し、さらに建築単価の上昇、郊外の住宅用土地価格の上昇、また、年の後半は住宅ローン金利(とくに固定金利)の上昇が見られ、こうした要因が數(shù)字に大きく影響しました。
持ち家著工件數(shù)は、2021年12月から最新の2022年10月分まで、前年同月比で連続してマイナスとなり、とくに物価上昇と金利上昇基調(diào)が鮮明になった6月以降は2桁のマイナスが続いています。
このペースでいけば、2022年の「持ち家」著工件數(shù)は、25萬戸臺の前半で著地するものと思われます。

住宅著工件數(shù)(持ち家)の見通し

すでに住宅ローン金利は上昇の兆しにあり、加えて12月20日に日銀が発表した「長期國債の買い入れ金利の上限を0.25%→0.5%に変更」により、住宅ローン金利(特に固定金利)の上昇につながると思われます。また、12月の日銀金融政策決定會合では見送られた政策金利の上昇ですが、この先は上昇の可能性も示唆されました。そのため現(xiàn)在では大半の方が選択する変動(dòng)金利は、「いつ大きく金利が上昇するか不安」な狀況です。そのため、変動(dòng)金利を選ぶ方が減少するでしょう。
こうしたことから、2023年の「持ち家」の著工件數(shù)は厳しい狀況が続きそうです。
追い風(fēng)要因とすれば、引き続きの住宅ローン減稅、ZEH住宅への補(bǔ)助、などがあげられます。
また、「都內(nèi)での新築住宅への太陽光パネル設(shè)置の義務(wù)化」が12月15日に成立しました。この先詳細(xì)が詰められるようですが、太陽光パネルの設(shè)置には現(xiàn)狀では少なくとも100萬円程度はかかるようですので、これが建築主負(fù)擔(dān)となるようなら、「その前に」という駆け込み需要が発生するかもしれません(一部補(bǔ)助金が出る見通しで検討中のようです)。

2022年貸家の新設(shè)住宅著工戸數(shù)と2023年の賃貸住宅投資市場見通し

次に、貸家(賃貸住宅)について見ていきましょう。 2022年貸家の新設(shè)住宅著工戸數(shù)は、昨年に引き続き好調(diào)が続きました。

図5:2022年の月別新設(shè)住宅著工戸數(shù)(貸家)

國土交通省「新設(shè)住宅著工件數(shù)」より作成

図5は、2022年1~10月の新設(shè)住宅著工戸數(shù)「貸家」の著工戸數(shù)と前年同月比を並べたものです。
2022年の1~10月の合計(jì)は28萬8,362戸(月平均2萬8,362戸)でした。2021年の1~10月は26萬9,335戸、2019年は約28萬6,000戸でしたので、貸家の新設(shè)住宅著工戸數(shù)は、「新型コロナウイルス感染癥の影響前の狀況よりも良い」と言えるでしょう。2022年1年間の貸家の新設(shè)住宅著工戸數(shù)の著地は、34萬5000戸前後と推計(jì)されます。
貸家は、土地活用としての賃貸住宅建築や賃貸住宅投資用としての建築です。2021年、2022年とも、賃貸住宅建築および賃貸住宅投資は、熱狂的な勢いが感じられました。
それを推し量れるのが、キャップレート(期待利回り)の低下です。一般財(cái)団法人日本不動(dòng)産研究所の公表データによれば、ワンルームタイプの賃貸住宅(一棟)のキャップレートは、2022年の4月と10月を比較すると、全國主要都市(10都市)で0.1~0.3ポイント低下しています。都市別に見れば、橫浜?大阪は橫ばいでしたが、それ以外の東京都下、札幌、仙臺、名古屋、京都、神戸、広島、福岡ではキャップレートが下がりました。キャップレートつまり期待利回りが下がっているということは、より低い利回りでも今後の期待から賃貸住宅への投資を行いたいという思いが高まっているということになります。最もキャップレートの低いエリアの代表格である東京?城南(目黒區(qū)?世田谷區(qū)中心)地域では、2022年4月調(diào)査4.0%から0.1ポイント下落し、1999年の調(diào)査開始以來、初めて4%を下回る結(jié)果となっています。

金融緩和政策の転換による影響は?

2021年末のレポートでは、「すでに米國ではテーパリング(量的緩和策縮?。─激蓼?022年には利上げが予定されています。また英國などでは、2021年12月に利上げが行われました。このような流れが日本でも見られると金利上昇の可能性が出てきます」と書きました。 12月20日に日銀による「異次元金融緩和」の事実上の転換が発表されました。政策金利は変わらず、マイナス金利も維持、ETFとJREITの買い入れ、といった點(diǎn)に変更はありませんでしたが、長期金利の変動(dòng)許容幅(新聞各紙の表記を引用)を0.5%押上げることになりました。具體的には、実際には10年物國債利回りを現(xiàn)在の0%~0.25%上限に誘導(dǎo)していたものを、~0.5%に誘導(dǎo)、つまり上限金利を上げることになります。
この政策変更により、不動(dòng)産投資への影響は少なからず出るでしょう。10年物國債の金利、つまりリスクフリーレート(リスクが少ない金融商品から得られる利回り)として用いられる金利の上昇は、キャップレートの押上げ効果があります。そのため、今回の変動(dòng)により、0.25%分のキャップレート上昇可能性(賃料が橫ばいなら価格の下落)があります。
しかし數(shù)字だけを見れば、超低金利からわずかな金利上昇です?!附瘠钨U貸住宅投資熱はこの程度の金利上昇では大きな影響はない」と考えるのが妥當(dāng)なのかもしれません。こうして考えれば、伸び分が打ち消される形となり、2023年の貸家の新設(shè)住宅著工戸數(shù)は、今年並みの34萬戸前後になると予測します。

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