動畫でわかる不動産投資第1回 賃貸住宅投資の全體像
公開日:2022/09/30
これから4回にわたり、賃貸住宅投資について解説します。
ここでの読者対象は、すでに土地活用として所有土地に賃貸住宅を建築所有し、もう1棟賃貸住宅経営を行いたい方や、賃貸住宅経営を行いたいが活用する土地を所有していない方をイメージしています。
資産形成においては、現金や株式(などの金融商品)、そして不動産に振り分けて所有することが理想的とされています。このうち、不動産資産を所有する方の多くは自宅として不動産を所有しています。自宅以外の土地を所有する方の中には、土地活用として、その地に賃貸用の建物を建築し、賃貸住宅なら個人に、商業系施設ならば企業に賃貸し、その保有資産から収益をあげておられます。土地活用投資はもちろん不動産投資においては、不動産価格の値上がり期待で購入される方もおられますが、多くの一般の方(専業のプロ投資家、不動産業者等以外の方)は不動産が生み出す賃料収入を得ることを主な目的としているようです。株式の場合は、株式資産価値(=株価)上昇と同時に配當を目的としている保有者が多いことと少し異なる點です。
賃貸住宅における投資の全體俯瞰
一般的な土地活用と言えば、すでに所有している土地(遊休地や別のことに使っていたが使わなくなった土地等)に賃貸用物件を建築して賃貸経営を行うことです。
賃貸住宅投資の全體俯瞰をすると下のような図になります。
図を簡単に説明すると、「賃貸住宅における投資」は大きく2つに分けることができます。1つは、「土地活用型」で、これは土地活用としての賃貸住宅投資で、投資の対象は建物とその付帯(外構、駐車場、その他)に対して行われます。もう1つは、「土地購入型」で、こちらは土地と建物を合わせて購入して(投資して)行う賃貸住宅投資です。
「土地購入型」では、賃貸用住宅の建物とその付帯に加えて、土地も投資対象になります。言うまでもなく、同じ建物だとすれば、「土地購入型」の方が投資総額は大きくなります。「土地購入型」の賃貸住宅投資は、活用すべき土地をお持ちでない方や、すでに自ら所有する土地を「土地活用型」の賃貸住宅経営を行っているが、さらに賃貸住宅経営を行おうとする方により行われています。
「土地購入型」は、大きく2つのタイプに分かれます。1つ目は、「新たに土地を購入して賃貸住宅を建築する」パターンです。このパターンは、自分で土地を選ぶため、自分のよく知るエリアで賃貸住宅を行うことができるというメリットがあります。一方でタイミングよく適切な土地に巡り合うことができるとは限らないことがデメリットとなります。2つ目は、土地の所有権と建物=賃貸住宅が一體となった「1棟売りの賃貸住宅を購入する」パターンです。このパターンは、契約してから賃貸住宅経営がスタートするまでの期間が相対的に短くなることが最大のメリットになります。デメリットは自分の求めているエリアに1棟売りの賃貸住宅の販売があるとは限らないということです。
いずれも「土地」があって初めて成立する賃貸住宅投資ですから、とくに前者では「土地探し」、後者では「物件の立地」が重要なポイントとなります。
また、1棟売りの賃貸住宅を購入して行う投資は、都市型タイプと郊外型タイプに分かれます。これについては、別の回で詳しくお伝えします。
土地活用型と土地購入型賃貸住宅投資における目的の違い
土地活用型賃貸住宅投資では、「投資に対する利回り」はあまりクローズアップされない傾向にあります。土地活用では、使っていない土地から資産を生み出す「遊休地活用」という考え方がベースにあり、加えて、「資産の承継がスムーズに進むこと」や「相続時の稅効果」を期待し、そして「將來に渡り安定的な収入を狙う」ということになります。
一方、「土地購入型」の賃貸住宅投資では、投資金額に対してどれくらい収益(リターン)があるか、つまり「投資利回り」が重視されます。
土地活用型賃貸住宅投資の利回り
土地活用型賃貸住宅投資における投資対象は、前述のとおり建物とその付帯物ですから投資総額は相対的に少なくなり、賃料に対する投資利回りは高くなります。
利回りを計算する時には、土地活用として賃貸経営を始める場合は土地購入をしませんので、土地価格はゼロ円で計算します。
土地購型賃貸住宅投資の利回りと最大のメリットとは
一方、土地購入型賃貸住宅投資は投資総額が大きくなりますので、利回りは相対的に低くなりますが、純粋な「不動産投資」となるため利回りを気にする方が多くなります。また、手殘り金額(キャシュフロー)も土地活用パターンに比べて悪くなります。
このため、土地活用型賃貸住宅投資に比べてリスクは高くなりますが、しかし土地購入型賃貸住宅投資には、大きなメリットがあります。それは、「借り入れ返済が終わると購入した土地が手に入る」ということです。
言い方を変えると、賃料が想定通りに入ってくれば、賃料収入により土地購入費の全部あるいは大部分をまかなうことができるということになり、とてもメリットの大きい投資となり得るということになります。