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コラム vol.419
  • 不動産市況を読み解く

中小企業のCRE戦略に必要な3つの視點とパートナー企業選び

公開日:2022/08/31

土地や建物など不動産を所有する中小企業では、自社で所有する不動産を「いかに最大限活用するか」、は経営拡大において重要なポイントとなります。
企業の不動産戦略は、その英語での頭文字を取ってCRE(Corporate Real Estate)戦略と言われます。CRE戦略という言葉は、一時期盛んに取り上げられましたが、未だそれほど浸透していないように思えます。
CRE戦略において重要となるのは、「どんな企業とパートナーを組むか」です。
本コラムでは、まず「中小企業のCRE戦略に必要な3つ視點」を解説し、その視點から「パートナー企業選び」について解説していきます。

中小企業におけるCRE=不動産戦略の視點

CRE戦略においては、単に不動産で短期的な利益を追求する、あるいは不動産が稼ぎ出す利益に頼るというような、昔ながらの言葉で言えば「財テク的」あるいは近視眼的な発想で不動産を活用するようなものではありません。CRE戦略は、中長期的な競爭優位の構築に寄與するため、そして企業の持続的な発展のために導入すべきものと言えます。
そのために、CRE戦略で成功する(=失敗しない)ための最重要ポイントは、不動産を不動産だけの観點で考えないということです。すなわち、「不動産の視點」だけでなく、「財務の視點」「経営の視點」これらを同時に考えていくということが求められます。

これら3つの視點の全ての観點で、自社を冷靜に分析する必要があります。その際には、後述するパートナー企業や専門家と連攜して行うといいでしょう。

時間のとれない経営者

CRE戦略の見直しの必要があると薄々感じている経営者や経営幹部の方も多いと思いますが、こうした方々の多くは業務に追われ、「いざ」となった時に慌てて対応することも多いようです。
そのためには、事前に、すぐに業務は発生しなくても、パートナー企業との関係を密にしておくことが重要となります。

事業パートナー候補と選び方

中小企業における不動産戦略(=CRE戦略)と言っても、その様態には、企業の置かれている狀況、業種(その産業)の將來性、企業の成長戦略など、考慮すべき様々な要因があります。そのため、一側面からの判斷で決めるのは早計だと言えます。
また、パートナー企業の目論見あるいは専門性により、アドバイスが偏ってしまうことも考えられます。CRE戦略のパートナーとなり得る企業には、その得意とする分野により3つに大別することが出來ます(順不同で解説します)。

不動産仲介會社

地方都市の中小企業がCRE戦略を考える際の身近な存在として、不動産會社いわゆる仲介會社があります。「地域密著」と「フットワークの軽さ」を活かした活動をしている企業が多いようです。ただ、仲介會社においては、売買手數料が主な収入となりますので、不動産の「売り」「買い」の提案が主になりがちです。しかしながら、地域密著の利點を活かした多くの情報を持っている會社も多いので、良好な関係を築き、鮮度の高い情報を得るといいでしょう。
こうした企業が「企業における経営の視點」や「企業の財務狀況の視點」、さらに「稅金の問題」についてもパートナーとなり得ればいいですが、そうでない場合は、別の専門家のアドバイスが必要となるでしょう。

銀行系列の不動産會社

企業の財政狀況を把握しているというのが銀行系の最大の強みと言ってもいいでしょう。また最近は、銀行に後継者難で事業用の不動産を売卻したり整理したりする相談が増えており、系列の不動産會社がそれを対応するパターンが多いようです。このような事から、財務の視點、不動産の視點には、稅金の知識を含めて強いと思われます。

土地活用?建築系企業

遊休地や低?未利用地に建物を建てる、つまり、建物建築の受注が主たる業務です。たいてい、不動産の売買なども関連會社等と連攜して行っています。その中で、経営や財務の視點からも頼れるパートナーとなりうる企業を選べばいいでしょう。土地活用の経験が豊富な企業であれば、稅金の問題についても頼りになるでしょう。土地活用においては、土地所有者が企業、個人地主に関わらず、稅金の問題は重要です。

3つのうちどの系統の企業がいいかは、それぞれ得手不得手があるでしょうし、企業により異なりますので、一概には言えません。しかし、何よりも重要な事は、「中小企業の不動産戦略」に関わった実績の多さです。その地域で実績があることはもちろん、全國各地で同様の業務に攜わることで、企業內にノウハウが蓄積され、それを享受することができるわけです。
CRE戦略のパートナー企業選びは、何よりも「実績」で選ぶべきだと思います。

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