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コラム vol.416-1
  • 土地活用稅務コラム

地方都市における事業承継と不動産活用

公開日:2022/08/31

POINT!

?事業の將來に不安を抱えているとき、事業承継では不動産事業はひとつの選択肢

?不動産投資によって、自分の生活の原資は働かなくても生まれるような狀況をつくることができれば、將來の不安はある程度解消できる

地方市町村の経営者

現在、ほとんどの地方市町村で、人口減、少子高齢化が進んでおり、將來の産業をどうしていくのか、本當に大きな問題となっています。
観光資源や獨自の産業基盤があるところはまだ良いのですが、將來の展望が描けない地方市町村は少なくありません。弊社の本社がある北海道根室市も例外ではありません。根室を含む道東地區は、近年の人口減や國際情勢の影響を強く受けて、漁業を中心とした産業の衰退が止まらず、2000年に約3萬4000人(根室市人口動態分析より)だった根室市の人口が、年500~600人のペースで減り続け、あと數年で2萬人を割ると予想されています。また、道東地區では経営者の高齢化が進み、事業承継を考える方が増えていますが、経済的にも將來に希望が持てる狀況ではなく、今順調に経営されている経営者でも事業の將來に不安を抱えています。

事業承継時に、不動産事業を提案

こうした狀況から、若い経営者の方には、次の事業として不動産事業をご提案させていただくことがあります。不動産投資はどこに住んでいても可能ですし、人手も要りません。現在、少子高齢化による労働者不足によって、さまざまな業種、地域で人員確保が非常に難しくなっています。また、これまでの事業で、ある程度の結果を出していれば、金融機関からの信用があり、借り入れも可能でしょう。そうなれば、投資のレバレッジ効果も期待できます。小さな物件から始めれば、最初から何億円も必要ではありません。
私自身も、最初の投資額は600萬円で、築30年の木造賃貸住宅から始めました。1000萬円しかなければ1000萬円なりの投資ができます。

リスクは極力避け、安定?安心の物件だけをご紹介

不動産投資をアドバイスするときのポイントは、基本的に市況的に安心できる地域と建物として信頼できる物件であるということです。將來的に、つまり20年後、30年後でも、市況的にある程度読めるものでないとおすすめできません。お客様とは長いお付き合いなので、お客様にリスクを背負わせることは極力避けます。お客様によっては利回りを重視される方もいて、建築単価を下げて賃料を上げようと考える方もいます。例えば、部材を安価なもので建てれば建築費用は下がります。一過的には良いかもしれませんが、建築物には経年劣化のリスクがあります。將來、経年劣化が激しくご入居者からのクレームが多い、入ったテナントさんの評判が良くないといったことが出てくるようでは困ります。事業用の施設であれば、テナントさんの事業の永続性も大事なポイントです。人口減が想定されるような地域、行われている事業に波が多い地域だと、住居用にしても、事業用にしても、長期的な安心感は薄れてしまいます。また、不動産投資の良さのひとつに、自分の目で見て、自分で確認することができるという點があります。私も不動産を持っているので、東京や札幌に出張したときにはいろいろな地域を見て回って勉強しています。

バランス感を持った資産活用のご提案

弊社も今年から東京での活動を行う予定です。
これで、東京、札幌、根室と三つの拠點ができます。大都會と中核地方都市と過疎化が始まっている地域で狀況もそれぞれ違いますから、つねにバランス感を持った資産活用のご提案ができるように心がけています。地方にいるとどうしても地方の考え方が標準になってしまって、他の方から見るとバランス欠くようなことが今まであったかもしれません。住まれている人の考え方や行動が札幌と根室では異なりますし、東京でもまた違ってくると思います。どれが良い悪いではなくて、場所ごとに考え方や人間の行動が異なるというだけです。そういったことをいろいろな場面でお客様にフィードバックしていきたいと思っています。オーナー様にとっても、今住んでいるところ、今投資しているところだけではなく、いろいろな地域を見ることはとても大事です。不動産を一極集中で所有していると、好調なときはいいのですが、悪くなったときに全部道連れになってしまいます。地方都市と首都圏に分散して持っていれば、リスクを分散することができます。全國にはさまざまな地域があり、それぞれ地域特性があります。そのような観點でいろいろな地域を見て、自分なりの研究をすることも必要です。そういう意味では、大和ハウス工業さんは全國どこでも、それぞれの地域でアドバイスをしてもらうことができる強い味方です。

早期リタイア、將來の不安にも不動産投資が有効

最近は、若い経営者の方から早期リタイアの相談を受けることもあります。近年の新型コロナウイルス感染癥の狀況や國際情勢など、狀況が目まぐるしく変わる中、20代、30代で仕事をしながらもつねに不安を抱えて、今の事業がどうなるのかと考える方が多くいらっしゃいます。50歳くらいで仕事を引退してのんびり暮らしたいという方、全國を旅して歩きたいという方、趣味に生きたいという方もいます。そのような夢を葉えるために、若いうちから少しずつ不動産投資をして、自分の生活の原資は働かなくても生まれるような狀況をつくることができれば、不安はある程度解消できると思います。例えば水産加工業では、ある日、突然ゼロになる可能性を皆さんいつも考えています。アーリーリタイア(早期リタイア)というと都會の人たちをイメージしがちですが、むしろ地方で今後の経済狀況がわからないときにも、不動産投資によってチャンスが広がります。

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