「住む」と「貸す」のハイブリッド 賃貸併用住宅という選択肢
公開(kāi)日:2022/03/31
POINT!
?人生100年時(shí)代に向けて、老後資金づくりの重要性?必要性がますます高まっている
?暮らしながら「稼げる」という新様式の発想が盛り込まれた住宅が増えている
?自宅を賃貸併用住宅にするなど、保有資産を有効活用し、複數(shù)の収入源を持つことが、將來(lái)への備えとなる
「老後2000萬(wàn)円問(wèn)題」思い知らされた老後資金づくりの重要性
近頃、FIRE(Financial Independence, RetireEarly)という言葉を目にする機(jī)會(huì)が増えました。皆さまは聞いたことがあるでしょうか。FIREとは、企業(yè)戦士として定年まで働き続ける舊來(lái)型の就業(yè)形態(tài)から決別し、早期で退職後、これまで自身で築いてきた財(cái)産を元手に、その蓄財(cái)を運(yùn)用?生活費(fèi)に充てながらリタイア後の生活を送るライフスタイルを指します。若いうちから経済的自立を手に入れ、精神的にも金銭的にもゆとりあるセカンドライフを送ろうという考え方です。
こうした概念が誕生した背景には働き方の多様化がありました。働き手としての自立的なキャリアを活かした「?jìng)€(gè)人」(従業(yè)員一人ひとり)が主役となる時(shí)代の到來(lái)です。組織や仕事に貢獻(xiàn)し、勤務(wù)先への忠誠(chéng)心や帰屬意識(shí)が重要視されたのはひと昔前の話です。近年、経済主體は「企業(yè)」から「家計(jì)」へと移り変わりました。すでに終身雇用は形骸化しています。
ニューノーマル時(shí)代の到來(lái)を見(jiàn)據(jù)え、各企業(yè)も新しい働き方のスタイルを模索しています。コロ
ナショック以前から企業(yè)を取り巻く経営環(huán)境は激変しており、副業(yè)や兼業(yè)を解禁する民間企業(yè)も
増えてきました。わが國(guó)にも少しずつ「ジョブ型」の雇用システムが浸透し始めており、人材流動(dòng)
化の流れは早まるばかりです。
また、別の理由として、將來(lái)への不安もFIRE人気を後押ししています。2019年に勃発した「老後2000萬(wàn)円問(wèn)題」の過(guò)剰反応ぶりには驚かされました。金融庁から同年に提出された報(bào)告書(shū)が問(wèn)題となったわけです。「夫65歳以上、妻60歳以上のみの無(wú)職世帯では、95歳まで生きるために夫婦で約2000萬(wàn)円の金融資産の取り崩しが必要になる」という試算結(jié)果が、どうしてこれほどまでに過(guò)敏に受け止められたのでしょうか。
想像するに、公的年金だけでは安泰な老後生活が送れない恐れがあることを知らされ、その怒りが政府への不信感とともに増幅されたのではないかと分析します。老後資金づくりの重要性?必要性を思い知らされた格好です。自己防衛(wèi)せずして明るい未來(lái)は期待できないのです。
暮らしながら「稼げる」という新様式の発想
ところで、なぜ、本コラムでFIREの話を持ち出したかというと、土地活用もひと工夫すればFIREと同様の生活が目指せることをお伝えしたかったからです。保有不動(dòng)産も運(yùn)用次第で経済的自立が手に入れられるわけです。働くことにも、お金にも縛られない、自由な暮らしが実現(xiàn)するのです。
私事ですが、2月中旬、東京都內(nèi)の住宅展示場(chǎng)で仕事をする機(jī)會(huì)がありました。まん延防止等重點(diǎn)措置の適用期間中であり、各ハウスメーカーは集客に苦しんでいました。そこで、來(lái)場(chǎng)を促そうと週末にイベントを開(kāi)催。私はセミナー講師として呼ばれました。
そこで気付いたのですが、常設(shè)するモデルハウスは大多數(shù)が3階建てで、ある1棟は1階部分が店舗でテナントを誘致できる設(shè)計(jì)になっていました。気になり見(jiàn)學(xué)させてもらうと店舗はフラワーショップになっており、2?3階が居住部分(オーナー様の生活スペース)という間取りでした。
この住宅展示場(chǎng)では、こうした非居住スペースを併設(shè)したモデルハウスが大多數(shù)を占めており、販売員に尋ねると「都心立地というポテンシャルを有効活用できるよう、『貸す』=『稼げる』収益フロアを提案している」と説明してくれました。建物には狀況に応じて用途を可変できる耐久性の高い資材や工法が採(cǎi)用されており、『提案例(モデルハウス)は店舗仕様ですが、要望に応じて賃貸併用、あるいは將來(lái)的には二世帯住宅としても転用可能になっています』とのことでした。
つまり、このモデルハウスには単に住むだけではなく、暮らしながら「稼げる」という発想が盛り込まれているのです。汗水垂らして働くのが美徳と稱賛された時(shí)代は過(guò)去のものとなりました。決して目新しい発想ではないのですが、それでも思わず共感?納得したのを今でも覚えています。
パワーカップルの興味対象はタワマンだけではなかった
では、実際、どういう人たちが暮らしながら「稼げる」という発想に共感し、契約しているのでしょうか?
私の予想では、すでに土地を所有しているシニア世代の建て替え層が中心かと思っていたら、「パワーカップルにも好評(píng)をいただいています」と説明されました。DINKSや未就學(xué)児のいる若い
共働き夫婦にも人気だというのです。パワーカップルの興味対象は都心のタワーマンションだけで
はなかったのです。
しかも、建物を新築するだけではなく、敷地も同時(shí)に探して土地?建物そろって取得するという
のです。決して立地にも妥協(xié)しないそうです。その裏には「賃貸併用にすることで、銀行が有利
な條件で融資してくれる」という理由がありました。収益不動(dòng)産として扱われるため、高い掛け
目(少ない自己資金)での融資が受けられるのです。あらかじめ家賃収入を返済計(jì)畫(huà)に當(dāng)て込む
ことで、若い世代でも都心の注文住宅が取得可能になるのです。
「住む」と「貸す」のハイブリッドで「長(zhǎng)生きリスク」に備える
住宅市場(chǎng)を振り返ると、近年、自己居住用のマイホーム取得時(shí)にも「貸しやすさ」「売りやすさ」が意識(shí)されるようになりました。実需不動(dòng)産にも投資的な視點(diǎn)(経営感覚)を持つ必要性が説かれているのです。人生100年時(shí)代、「老後2000萬(wàn)円問(wèn)題」により公的年金だけでは安定的な生活が送れない恐れが現(xiàn)実味を帯びるなか、より収益源の複數(shù)化が欠かせなくなっています。その意味において、今後、暮らしながら「稼げる」という新様式の発想は、さらなる広がりを見(jiàn)せるはずです。利用価値のある物件選択が、さらに重要視されていくのです。その最有力候補(bǔ)となる賃貸併用住宅には、どのような魅力があるのか。以下、そのメリットとデメリットも併せて確認(rèn)しておきましょう。
- 【賃貸併用住宅のメリット】
- ?家賃を充當(dāng)することで、ローンの返済負(fù)擔(dān)を軽減できる
- ?アパートローンではなく、住宅ローンが利用できる(自宅部分の床面積が50%超の場(chǎng)合)
- ?リタイア後の収入源(私的年金)として見(jiàn)込める
- ?所得稅や相続稅の対策となる
賃貸併用住宅のメリットは、家賃収入によりローンの返済負(fù)擔(dān)が軽減できる點(diǎn)です。完済すれば不労所得となり、私的年金として見(jiàn)込めます。
また、いくら低金利な融資環(huán)境とはいえ、アパートローンは住宅ローンより適用金利が高くなります。不動(dòng)産融資は長(zhǎng)期間にわたって大金を借り入れるため、わずかな金利差でも総返済額に大きく響きます。その點(diǎn)、自宅と賃貸を「併用」することで、住宅ローンを利用できれば返済計(jì)畫(huà)に好影響を與えることができます。
- 【賃貸併用住宅のデメリット】
- ?建築コストは住居専用住宅に比べて高くなりやすい
- ?住宅ローン減稅は居住用部分のみが対象となる(賃貸部分は適用外)
- ?オーナー様とご入居者の間で、余計(jì)な気遣いが必要になったり、管理面に関するトラブル解決が必要になることも考えられる。
他方、デメリットとして建築コストは住居専用住宅に比べて高くなりやすいのが難點(diǎn)です。その解決方法として賃貸部分の仕様を落とし、安価な部材や住宅設(shè)備を使う手はあるでしょう。オーナーとして、ローコストで仕上げて安く貸すのか、それとも一定のコストを掛け、その分、高収益を狙うのか、その選択は各オーナー様の投資スタンスによって異なってきます。いずれにせよ、建物を設(shè)計(jì)する段階で方向性(投資スタンス)を明確にしておく必要があります。また、オーナーとご入居者が一つの建物に住むことによる課題や管理に関しては、建築設(shè)計(jì)の段階で雙方が出來(lái)るだけ気遣いをしなくて済む動(dòng)線を考えたり、管理面は管理會(huì)社にしっかり委託するなど経営面での検討をすることも大切です。
2020年の日本人の平均壽命は男性が81.64歳、女性が87.74歳でした。男性は世界第2位、女性は世界第1位の長(zhǎng)壽國(guó)です。とても喜ばしいことですが、その半面、「長(zhǎng)生きリスク」も懸念されます。老後の蓄えが底をつき、生活に困窮しては困るのです。
そうならないよう、複數(shù)の収入源を持ってほしいというのが本コラムの結(jié)論です。マイホームは
「住む」だけではなく、「住む」と「貸す」のハイブリッドによる相乗効果を狙うべきです。もはや、企業(yè)戦士として定年まで働き続ける必要はありません。保有資産を上手に有効活用し、ぜひとも経済的自立を果たしてください。