回復(fù)のキザシは見えてきたのか?最新2021年基準(zhǔn)地価を読み解く
公開日:2021/09/30
POINT!
?2021年度の基準(zhǔn)地価は、全用途(住宅?商業(yè)?工業(yè))全國平均が-0.4%で、2年連続のマイナスとなった
?住宅地では、大都市部、地方四市で落ち込みからの回復(fù)が見られ、地価上昇が予想される結(jié)果となった
?商業(yè)地では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく出た結(jié)果となった
2021年の都道府県地価調(diào)査が9月21日に公表されました。都道府県地価調(diào)査で公表される地価は、「基準(zhǔn)地価」と呼ばれ、7月1日を価格時點としています。3月20日ごろに公表されメディアでも大きく報じられる公示地価は、1月1日が価格時點ですから、ちょうど中間點的な意味合いで、例年注目を集めます。また、今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が出てから2回目の都道府県地価調(diào)査でしたので、回復(fù)しているのか?それとも悪化しているのか?とさらに注目が集まっていました。
公表された「基準(zhǔn)地価」では、全用途(住宅?商業(yè)?工業(yè))全國平均は-0.4%と、2年連続のマイナスとなりました。住宅地は昨年の-0.7%から-0.5%と下落幅が小さくなりましたが、一方、商業(yè)地では昨年の-0.3%から-0.5%と下落幅が大きくなりました。全體的な傾向として、住宅地は新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復(fù)のキザシが見られ、商業(yè)地は悪化しているという様相でした。今回は、毎年9月にご紹介している基準(zhǔn)地価の詳細(xì)分析を行います。(本文、図表ともデータは全すべて國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成)
基準(zhǔn)地価について
まず基準(zhǔn)地価について簡単に説明しておきます。3月に発表される公示地価と目的や用途はほぼ同じですが、いくつかの違いがあります。大きな點は、以下の2點です。調(diào)査主體が公示地価は國土交通省で基準(zhǔn)地価は都道府県です。また、価格時點は公示地価が1月1日で基準(zhǔn)地価は7月1日となっており、価格時點を比較すると、中間點という位置づけになります。
調(diào)査地點數(shù)は公示地価が26,000地點、基準(zhǔn)地価は21,443地點となっており、うち1,625地點(住宅地1,120地點、商業(yè)地505地點)が同一地點です。同一地點が10%以下のため、県単位や市町村単位での、実數(shù)字の単純な比較はできませんが、推移を見ることで上昇下落といった傾向はつかむことができます。詳細(xì)については後述します。
2021年基準(zhǔn)地価の全國と三大都市圏の狀況
全國の全用途平均は前年比-0.4%、住宅地は-0.5%、商業(yè)地は-0.5%となりました。
三大都市圏全體では、全用途平均は+0.1%(前年は±0%)、住宅地は±0%(前年は-0.3%)、商業(yè)地は+0.1%(前年は+0.7%)となりました。
三大都市圏をそれぞれ見てみると、少し違いがあります。住宅地においては、三大都市圏(東京圏?大阪圏?名古屋圏)とも前年よりもプラス、もしくはマイナス幅の減少となりましたが、商業(yè)地では、名古屋圏は-1.1%から+1%に回復(fù)したものの、東京圏ではプラス幅が減少、大阪圏では前年は+1.2%から-0.6%となりました。住宅地では、新型コロナウイルス感染拡大の影響は一時的なもので、すでに回復(fù)狀況にあり、商業(yè)地は國內(nèi)外観光客の動きが依然として厳しく、その影響が大きく出たものと思われます。
住宅地の狀況
全國の住宅地について見てみましょう。東京圏では+0.1%(前年は-0.2%)、大阪圏-0.3%(前年は-0.4%)、名古屋圏+0.3%(前年は-0.7%)となっています。大阪圏だけが依然マイナスとなりました。
地方圏では、-0.7%(前年は-0.9%)、地方四市(札幌市?仙臺市?広島市?福岡市)に限ると、+4.2%(前年は+3.6%)となりました。
直近5年の四大都府県(東京都?大阪府?愛知県?福岡県)にフォーカスしてみると、図1のようになります。全國で見ればマイナスが続いているものの、大阪府を除けば、住宅地は2020年の落ち込みは一時的なものだったことが分かります。
図1:基準(zhǔn)地価 変動率 直近5年間の推移(住宅地)
國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成
次に、都道府県別に見てみます。図2は、都道府県別の住宅地対前年変動率を高い順に並べたものです。7つの都道県でプラスになりました。前年は5つでしたので、少し増えました。最も上昇したのは沖縄県で+1.6%(前年は+4.0%:1位)、と上昇幅は減少したもののトップを維持しています。マイナスとなったのは38の府県で、前年の42から少し減りました。
図2:基準(zhǔn)地価 都道府県別対前年平均変動率(住宅地)
國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成
図3は、2000年以降の四大都市における22年間の住宅地基準(zhǔn)地価の推移です。
ミニバブル期のような急激な上昇ではありませんが、2013年以降(地域によってはそれ以降)にじわじわと上昇を続けていました。近年は、ゆっくりと上昇(あるいは回復(fù))、そして全國的に波及していました。2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響が色濃く出てブレーキがかかってしまいましたが、1年でおおむね回復(fù)していることが分かります。
図3:基準(zhǔn)地価 変動率推移(4大都市:住宅地)
國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成
商業(yè)地の狀況
次に、商業(yè)地について見てみます。東京圏では+0.1%(前年は+1.0%)、大阪圏は-0.6%(前年は+1.2%)、名古屋圏は+1.0%(前年は-1.1%)となりました。名古屋圏は大きく改善しましたが、大阪圏では8年ぶりにマイナスになりました。國內(nèi)外の観光客が減り、ホテル需要が旺盛で、飲食店などが密集する地域などでは需要減退、先行き不透明感が地価に色濃く出た格好となりました。
直近5年の四大都市(東京都?大阪府?愛知県?福岡県)の商業(yè)地地価の変動率を見ると、図4のようになります。四大都市ではかなりの違いが出ています。また、福岡エリアの強さがうかがえます。商業(yè)地の変動率上位の地點を見てみると、上位10位以內(nèi)に福岡県下は、なんと8地點もあり福岡県の商業(yè)地が活況であることがうかがえます。
図4:基準(zhǔn)地価 変動率直近5年間の推移(商業(yè)地)
國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成
次に、都道府県別に見てみます。
図5は、都道府県別の商業(yè)地対前年変動率を高い順に並べたものです。プラスになったのは6つの県で、前年の11都道府県から大きく減少しました。逆に変動率がマイナスとなったのは41都道府県で、前年の36から大きく増えました。最も上昇したのは先に述べた福岡県で+2.7%(前年は2.1%:3位)、続いて宮城県が+1.6%(前年は+3.0%:2位)でした。近年かなりの上昇を続けていた沖縄県は、+0.7%(前年は+6.2%:1位)の5位となり、7年ぶりの低い値となりました。いうまでもなく、観光客が激減したことが大きな要因といえるでしょう。
図5:基準(zhǔn)地価 都道府県別対前年平均変動率(商業(yè)地)
國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成
図6は、2000年以降の四大都市における商業(yè)地基準(zhǔn)地価の推移です。
2013年頃からの全國的な伸びのピークは2019年頃で、2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく出て、四大都市においてもまだ回復(fù)していないエリアがあることが分かります。
図6:基準(zhǔn)地価 変動率推移(四大都市:商業(yè)地)
國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成
半年ごとの分析
冒頭でお伝えしたとおり、基準(zhǔn)地価の価格時點は公示地価のちょうど中間點ともいえます。また、基準(zhǔn)地価は公示地価と同一地點が1,625地點ありますので、これらの変動率を比べることで、2020年7月1日~2021年7月1日の1年を前半後半に區(qū)切って分析できます。
図7は、公示地価との共通地點における半年ごとの地価変動率を示したものです。前半は、2020年7月1日~2021年1月1日、後半は2021年1月1日~7月1日です。住宅地においては、全ての項目において、前半が後半を上回っています。一方、商業(yè)地では、大阪圏が前半-0.7%から後半-0.4%と多少持ち直していますが、それ以外は橫ばいとなっています。
今後ワクチン接種が広く浸透し、新型コロナウイルス感染拡大の影響が少しでも減少し、地価が回復(fù)することを期待したいものです。今後ワクチン接種が広く浸透し、新型コロナウイルス感染拡大の影響が少しでも減少し、地価が回復(fù)することを期待したいものです。
図7:地価公示との共通地點における半年ごとの地価変動率
國土交通省「令和3年都道府県地価調(diào)査」より作成
2022年はどうなる?
2022年はどうなる?昨年の同時期に、本サイトでの基準(zhǔn)地価レポートの締めくくりに、「來年9月に発表される基準(zhǔn)地価は、大きく落ち込むことはなく、今年並みか少しの下落程度になると予測します」と書きました。おおむね予想が當(dāng)たっていたようですが、住宅地においては、予想以上に落ち込みは少なく、いち早く回復(fù)しました。昨年よりも価格上昇が見られるエリアも多く、大都市部においては価格上昇も予想されます。また、地方四市においても、地価上昇が予想されます。商業(yè)地も多少下げましたが、回復(fù)のキザシはかなり見えてきました。
2022年9月に発表される基準(zhǔn)地価は、住宅地においては今年に比べて上昇する可能性がかなり高く、また商業(yè)地においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響が徐々に収まりつつある狀態(tài)が続くことを願うばかりですが、基準(zhǔn)地価は今年よりも改善しているものと予想します。(執(zhí)筆時點:2021年9月22日)