建設(shè)費の高騰が叫ばれている

2013年9月7日、2020年東京オリンピックの開催決定以降、建築?建設(shè)工事費の上昇がいわれ始め、建築?建設(shè)関係者はもとより、ディベロッパー、不動産會社など関係業(yè)界からも「徐々に高くなってきている」という聲が聞こえています。さらに、「どこまで上がるのか」という思いもあるようです。

2011年3月に起こった東日本大震災(zāi)以後、多くの職人が復(fù)興事業(yè)に従事しているため、職人の不足が深刻です。そうした中でオリンピックの競技施設(shè)建設(shè)工事の増加、さらに、2013年以降は不動産市況の好調(diào)さもあり、マンション?戸建て住宅がどんどん建てられ、ゼネコン業(yè)界は大忙しとなりました。

大都市だけでなく地方にも再開発の波が広がる

さらに大都市では、中心地における再開発プロジェクトがどんどん進んでいます。東京都心では渋谷駅周辺、麻布臺周辺、虎ノ門新駅開発、山手線新駅（品川～田町間）開発、関西では大阪梅田の北ヤード開発など、再開発案件が多數(shù)進行中です。その流れは地方都市にも波及しています。「近年の好景気は大都市部だけ」と少し前までいわれていましたが、最近では、「好景気が地方にも伝播している」ことが明確になってきました。こうした狀況下では、いやが応でも建設(shè)工事費は高騰してしまいます。

それでは、建設(shè)工事費がどれくらい上昇しているのかを見てみましょう。

建設(shè)工事費デフレーター（2011年度基準(zhǔn)）

國土交通省「建設(shè)工事費デフレーター」より作成

上図は、國土交通省が発表している建設(shè)工事費デフレーター（住宅建築）の2005年から2018年上期までの推移です（グラフは2011年を100として計算しています）。

國土交通省ホームページ內(nèi)の資料によれば、建設(shè)工事費デフレーターとは、「建設(shè)工事に係る名目工事費を基準(zhǔn)年度の実質(zhì)額に変換する目的で、毎月作成、公表しているものである。建設(shè)工事費デフレーターは、國內(nèi)の建設(shè)工事全般を?qū)澫螭趣筏皮い搿＝ㄔO(shè)工事の多くは、現(xiàn)地一品生産という特性のため、一般の製品の物価のように市場価格の動きでは直接的にとらえることができない。そのため、建設(shè)工事費を構(gòu)成する労務(wù)費や個々の資材費の価格指數(shù)をそれぞれの構(gòu)成比（ウエイト）をもって総合する投入コスト型で算出する手法をとっている」ということになります。より詳しく知りたい方は下記を參考にしてください。

建設(shè)工事費デフレーターの概要（國土交通省HP）

これを見ると、住宅建築の建設(shè)工事費は2005年からのミニバブル期に上昇、特にリーマンショック直前の2008年には大きく上昇しました。また、確かに震災(zāi)直後は一時的に上昇しましたがすぐに落ち著きました。2013年以降はずっと右肩上がりで上昇しており、2005年以降では最高水準(zhǔn)にあります。

建設(shè)工事費と物価の関係

次に建設(shè)工事費と物価の関係を見てみましょう。 下図は建設(shè)工事費デフレーター（住宅建築）と消費者物価指數(shù)（天候要因などの影響が大きい生鮮食品を除く）、それぞれ2005年以降の推移を重ねたものです。

建設(shè)工事費デフレーターと消費者物価指數(shù)の推移

國土交通省「建設(shè)工事費デフレーター」総務(wù)省統(tǒng)計局「消費者物価指數(shù)」より作成

相関係數(shù)は0.81となっており、はっきりと強い相関があることがわかります。建築工事費が上がっているときは、物価も上がっているという構(gòu)図が見えます。これから類推すると、今後もしばらくは建設(shè)工事費が上がりそうな気配ですから、物価も上がる可能性があります。