コラム vol.022
首都圏 賃貸住宅の賃料上昇のキザシ
公開日:2015/03/03
賃貸住宅の賃料もここにきて徐々に上昇のキザシ
2013年初め頃に比べて、日経平均株価は2倍近くなり、大都市部の地価上昇、不動産価格の上昇など、住宅不動産業(yè)界は活況になった。2009年頃からしばらく新興デベロッパーが苦境に立たされていたように、不動産業(yè)界では厳しい時代が続いていたが、そこから隨分盛り返してきた。
2014年に入ると、比較的反応が遅いといわれるオフィス賃料の上昇も顕著になってきており、オフィス賃料の上昇は、大型先進ビルだけでなく、中クラスのビルにまで波及してきている。
景気の波を受けながらも、その影響が表れるのが遅いとされる賃貸住宅の賃料もここにきて徐々に上昇のキザシが見え始めてきた。
グラフ1のように、首都圏では、1R(ワンルーム)、DK、FA(ファミリー)いずれのタイプの物件においても賃料上昇基調にある。
賃貸住宅の賃料は、高額賃料の物件を除いてデフレ期でも賃料が大きく下がりづらい。地方都市の郊外にある物件で、空室が長く続いているような物件を除けば、賃料は大きく下がりづらい。
一方、好景気の局面でも、その反応は遅い。たいていの賃貸住宅の契約は2年ごとの更新で、當然その間は、賃料に上下はない。さらに、更新時に一気に賃料を上げると、「それなら、別の物件に引越ししようか」とご入居者は別の選択肢を探し始める。オフィスビルに比べて引越しが手軽であるし、代替物件も多く存在する。このようなことから、上昇局面に入っても、ジワジワとしか上がっていかない。
しかし、総務省の物価統(tǒng)計の項目としても定點観測されているように、インフレ等の影響を他の項目に比べて遅いながらも、影響を受けることに間違いない。昨今の首都圏での賃料上昇のキザシは、全國の賃貸住宅オーナー様にとってうれしいデータではないだろうか。