土地活用ラボ for Owner

コラム vol.198
  • 賃貸住宅経営のポイント

2017年3月レポート

1棟もの賃貸マンション投資とワンルーム投資の違いは何か?

公開日:2017/03/31

POINT!

  • ?不動産投資のすそ野が広がっている
  • ?1棟賃貸マンション投資はメリット、デメリットを理解したうえで

増える不動産投資家

ワンルームマンションに投資する人は、ますます増えています。

1980年代後半からのバブル期では、その主要プレーヤーは、ビルや商業(yè)施設などを所有する資金調達に長けた不動産投資を業(yè)とする企業(yè)や本業(yè)での余剰利益を不動産に投資する企業(yè)でした。こうした企業(yè)が市場を牽引して、さらに個人が自分用のための住宅をこぞって購入したことが、活況を生み出しました。
ミニバブルと呼ばれた2005年~2007年ごろは、REITが活発化し、海外投資家の不動産投資や新興マンションデベロッパーによってマンション市場が活況化しました。

2013年ごろから現在まで、不動産市況は活況が続いています。今日の盛り上がりは、日銀の金融緩和政策によりREITやETFが買われ、日銀マネーが流入したことやインフレ誘導政策が引き金となりました。
他にも、低金利誘導など、政策的に誘導されて、先ほど述べたようなプロ投資家だけでなく、多くの一般投資家が実物不動産(REITなどの証券化された不動産に対比する意味合い)を購入することで盛り上がりを見せています。

2回のバブル期までを含めても不動産投資をする人の數が、最も多いのは現在の盛り上がり(いわゆるアベノミクス)期でしょう。

不動産投資の種類

賃貸不動産の投資には、いくつかの種類があります。

図1:不動産投資の種類

1番目は、「土地活用」、「土地活用投資」と呼ばれるものです。
自らが所有する土地を活用して賃貸住宅や商業(yè)施設などを建てて、個人や企業(yè)に貸すことで収入を得ます。

2番目は、「1棟もの賃貸住宅投資」です。自ら所有する土地を活用する「土地活用」ではなく、「土地を購入して、そこに賃貸住宅を建てて貸す」、または、「分譲された賃貸用住宅を購入して貸す」という投資スタイルです。大都市圏を中心に以前から中古物件は多くみられましたが、最近では新築のこうした物件が多く売り出され、売れ行きが好調で「在庫がほとんどない」という狀況のようです。立地の良い中心エリアでは総額が高くなるので、交通利便性のよい郊外や中心地ですと、土地の形がよくないなど、一般的な戸建てや、マンションにはやや不向きな土地に、工夫されて配置された賃貸物件を建てるなどして、総額を抑える努力も垣間見られます。

かつては、「賃貸住宅経営は土地を持っている方が行うもの」というイメージでしたが、いまでは、「土地がなくても、土地を購入して賃貸住宅経営を行う」という方も増え、賃貸住宅経営の裾野の広がりを感じます。

3番目が、區(qū)分マンション投資です。
単身世帯向けのワンルームマンション、ファミリー向けのマンションなど、広さにより対象物件は異なりますが、多くの方が投資を行っているのは、ワンルームマンション投資でしょう。

かつて、ワンルームマンション投資は、醫(yī)者、弁護士、大學教授、公務員といった、高年収で安定的な収入がある方が行うイメージでした。こうした方々に販売會社が電話をかけて、「稅務対策、將來の年金の加算」をうたい、契約をしていました。

しかし、最近では若いビジネスパーソンといった方々に、稅務対策目的よりも「將來の年金が不安で」といった不安解消目的と「不動産投資をやってみたくて」といった興味先行での投資が見受けられます。銀行やノンバンクといった金融機関がこうした方々への融資も積極的に行っていることが背景にあります。このように、ワンルームマンション投資の裾野も大きく広がっています。

1棟もの賃貸マンション投資、土地活用賃貸投資のメリットと注意しておきたいこと

このように、不動産投資をされる方は、現在増えています。私もいろいろな方から相談を受けますが、ワンルームマンションを複數お持ちの方から、「そろそろ、1棟もの賃貸マンションを買いたいけど、どんなことに注視したらいいのでしょうか?」という相談を受けます。

ここからは、それぞれのメリットと注意しておきたいことをワンルームマンション投資と比較しながら考えてみましょう。土地活用における賃貸住宅経営の場合は、1棟もの物件に該當しますので、その前提で以下書き進めます。

図2:區(qū)分所有マンションと1棟もの賃貸住宅

  區(qū)分マンション賃貸用住宅 一棟モノ物
メリット
  1. 1)投資金額が少ない
  2. 2)運営管理がラク
  3. 3)流動性が高い(時期による)
  1. 1)融資期間が長い
  2. 2)擔保価値が高く、最後には土地が殘る ? 區(qū)分マンション賃貸用住宅に比べ融資が受けやすい
  3. 3)空室リスクが分散される
デメリット
  1. 1)不況時、値下りが大きい
  2. 2)1室なら、空室リスクが高い
  3. 3)擔保評価が低い(ローン満額厳しい or 金利が高い)
  4. 4)1室ならば、たいした稅務対策にならない
  1. 1)投資金額が大きい
  2. 2)利回りは、短期的に見ると低い
  3. 3)流動性が低い(時期による)

まずは、金額と利回りです。
ワンルームマンションで、都心の超一等地に建つ物件などは、坪単価が400萬円を超えるものも増えてきて、平均的な25m²(7.5坪)の物件で3000萬円という高級な物件も珍しくなくなりました。平均的な新築物件は東京中心部で2500萬~3000萬円、関西、名古屋では1500萬円~2000萬円という狀況です。しかし、新築の1棟物件ですと、大都市圏では、たいてい1億円以上はします。1.5~3億円くらいの物件が中心価格帯です。(いずれも価格は、近年のもの)このように、金額の差はかなり、大きく「思い切り度合」もだいぶ違います。

どれくらいの利回りを求めるかは、投資する方のおかれている狀況によって異なりますが、他にも時期や場所によっても異なりますので、一概に○○%ならばいいとはいえません。
また、大きな違いとしては、1棟もの賃貸マンションは土地を所有することになりますので、ワンルームマンションの場合に比べて格段に擔保価値は高くなり、融資が受けやすくなります。

次に、空室リスクです。空室のリスクは立地?賃料などにより変わりますが、大きく違う點が2つあります。1つは、1棟ものの賃貸物件の場合、1棟に複數部屋ありますので、空室のリスク分散ができます。ワンルームマンションを6部屋とか8部屋とか購入すれば話は別ですが、1つだけ所有の場合は空室が出れば、空室率100%になります。
また、1棟もの物件の場合、サブリース會社と一括借上契約を結ぶ可能性はあります。ワンルームをサブリースする例ももちろんありますが、あまり多くありません。ワンルームマンション投資の場合は、空室可能性が低い一等地に建てることが多いため、その必要がないともいえますが、大學のそば等を除き問題ありませんが、需要が安定していない立地の場合は、家賃を下げないと苦労する可能性もあります。

その他の違いは、図2にまとめておきましたので、ご確認ください。この內容は、立地や時期(不動産市況)により、一概にはいえないことをご了承ください。

特集記事をチェック!

土地活用ラボニュース

土地活用法律コラム

家族信託?を活用した新しい財産管理と相続?認知癥対策

あなたはどっちの大家さん?! お金持ち or 貧乏

メールマガジン會員に登録して、土地の活用に役立つ情報をゲットしよう!

土地活用ラボ for Owner メールマガジン會員 無料會員登録

土地活用に役立つコラムや動畫の最新情報はメールマガジンで配信しております。他にもセミナーや現場見學會の案內など役立つ情報が満載です。


  • TOP

このページの先頭へ