最新データで読み解く
賃貸住宅(貸家)は何月に著工された物件が多いのか?
公開日:2016/08/31
賃貸住宅の著工に季節(jié)要因はあるのでしょうか?不動産の契約は、2月と8月が少ないといわれていますが、賃貸住宅(貸家)の建築請負契約にも同様のことはいえるのでしょうか?
図は2014年1月~2016年6月の新築住宅著工戸數(shù)(貸家)の推移を示したものです。
貸家著工戸數(shù)の推移
國土交通省「住宅著工統(tǒng)計」より作成
これを見ると、1年の中で數(shù)が少ないのは、年初の1月と2月ということがわかります。逆に多いのは、6月~11月です。2月は確かに少ないのですが、8月はそれほど大きく落ち込んでいません。
青線で示した、前年同月比を見ると、2014年は2013年の消費稅増稅の反動があり、とくに2014年の夏から秋はマイナス基調です。一方2015年の夏は、相続稅の改正が影響したからか、大きくプラスになっています。
こうしてみると、賃貸住宅の著工數(shù)は、稅制による影響が大きいことがよくわかります。賃貸住宅経営は、稅務対策のソリューションとして用いられている割合が大きいのでしょう。
次に、どの季節(jié)(時期)に賃貸住宅を建てれば、入居者募集に有利かという観點で考えてみましょう。
賃貸住宅の入居者募集に有利な時期は、いうまでもなく1月や2月でしょう。完成直後の物件は人気があるので、この時期を狙うのはいいかもしれません。そのためには、賃貸住宅の入居者募集を完成前に行ったとしても、完成して引き渡しを受けて、3月中旬には入居できる狀況を作っておかなければなりません。
工期に実質5~6カ月かかると逆算すると、遅くとも9月頃には著工をすることになります。しかし、最近のハウスメーカーの商品は、もう少し短工期で建築できる賃貸住宅もあるため、先述よりも少し後でも間に合うかもしれません。