公示地価分析 ~都道府県別の地価分析~
公開日:2016/04/27
公示地価は、國土交通省が毎年1月1日時點の地価を算出し発表するもので、土地取引の際の基準として利用される。
最新の數字が、今年の3月22日に公示地価が発表された。
最新データでは、平成27年1月1日時點において、全國平均(全用途)が前年比0.1%上昇。2008年以來8年ぶりに前年比でプラスと発表された。
公示地価の増減率(商業地)
國土交通省「地価公示」より作成
東京など大都市圏の中心商業地の地価上昇の影響が、地方の中樞都市にも波及して、全國平均の數字を押し上げた。
商業地は全國で0.9%上昇(前年は±ゼロ)して、2008年以來8年ぶりのプラスとなった。大都市圏において、再開発案件が相次いでおり、また急増する訪日外國人客が多く訪れる東京銀座や大阪心斎橋などの地価が大幅に上昇した。
一方、住宅地は0.2%の下落となった。
圏域別対前年変動率(住宅地)
國土交通省「地価公示」より作成
都道府県別に見ると,人口減少が進む地方圏では依然として住宅地の地価下落は収まりそうにない。
都道府県別地価(住宅地)変動率
No | 都道府県 | 変動率 | No | 都道府県 | 変動率 |
---|---|---|---|---|---|
全國 | -0.2 | 24 | 靜岡 | -0.9 | |
1 | 福島 | 2.9 | 25 | 岡山 | -0.9 |
2 | 宮城 | 1.9 | 26 | 宮崎 | -0.9 |
3 | 沖縄 | 1.7 | 27 | 群馬 | -1.0 |
4 | 東京 | 1.6 | 28 | 徳島 | -1.0 |
5 | 愛知 | 0.8 | 29 | 長崎 | -1.1 |
6 | 福岡 | 0.5 | 30 | 茨城 | -1.2 |
7 | 千葉 | 0.2 | 31 | 栃木 | -1.2 |
8 | 神奈川 | 0.1 | 32 | 長野 | -1.3 |
9 | 熊本 | 0.1 | 33 | 山口 | -1.3 |
10 | 埼玉 | 0.0 | 34 | 高知 | -1.3 |
11 | 大阪 | 0.0 | 35 | 香川 | -1.4 |
12 | 京都 | -0.1 | 36 | 新潟 | -1.6 |
13 | 富山 | -0.2 | 37 | 島根 | -1.6 |
14 | 兵庫 | -0.3 | 38 | 福井 | -1.7 |
15 | 奈良 | -0.3 | 39 | 三重 | -1.7 |
16 | 広島 | -0.3 | 40 | 佐賀 | -1.8 |
17 | 巖手 | -0.4 | 41 | 青森 | -1.9 |
18 | 北海道 | -0.5 | 42 | 愛媛 | -1.9 |
19 | 滋賀 | -0.5 | 43 | 山梨 | -2.0 |
20 | 石川 | -0.7 | 44 | 和歌山 | -2.0 |
21 | 大分 | -0.7 | 45 | 鳥取 | -2.0 |
22 | 山形 | -0.8 | 46 | 鹿児島 | -2.3 |
23 | 岐阜 | -0.9 | 47 | 秋田 | -3.5 |
図3は都道府県別の住宅地地価の変動率を示している。
全國平均は前年比マイナス0.2%。震災からの復興で上位は福島?宮城。そして、大型マンションなどの開発が活発な沖縄と続く。以下主要都市が続き11位までがプラス(±ゼロ含む)となっている。
下位に目をやると、將來、大きな人口減少が予測されている県が続いている。秋田、鹿児島、鳥取、和歌山などだ。
次年度は、商業地は今年よりもプラスになることは間違いないだろう。しかし、住宅地の方は、今年並みではないだろうか。