土地活用ラボ for Owner

インタビュー 001
  • 土地活用稅務コラム

稅理士リレーインタビュー 第一回 「無料相談會などを活用して、気軽にご相談ください」 P&P稅理士法人 代表社員稅理士 瀨戸口秀隆様

公開日:2016/11/30

土地活用と稅金の問題は、切っても切り離せない問題にもかかわらず、個人の土地オーナー様にとって毎年のように改正される稅制は、かなりハードルの高い問題でもあります。
難しい稅金の話はもちろんのこと、対応すべき様々な問題は、稅理士の先生に相談するのが一番です。少し敷居が高いと感じている方は多いかもしれませんが、気軽に相談ができるうえに、土地活用も含めた様々なアドバイスや提案を得ることができます。
このコーナーでは、そうした気軽な相談ができるように、リレー方式で稅理士インタビューをお屆けします。

インタビュアー(以下I):昨今の傾向として、土地オーナー様からのご相談內容に変化はありますか?

瀨戸口(以下S):無料の相談會など開催させていただいていますが、相続稅の基礎控除が下がったこともあり、相続の問題でのご相談が増えています。マンション暮らしで他に財産が何もないということであればほとんど心配することはありませんが、戸建てにお住まいですと、マンションと違い固定資産の評価額が違います。また保険金や現金が加わったり、相続人の人數が増えたりすると、さらに複雑になってしまいます。
相続稅に関しては、かなり騒がれていましたので、知っている方は多いと思いますが、申告しなければならないことに関しては、ご存じない方が多いですね。
例えば、納稅額が大きくても、いわゆる申告しなければ受けられない配偶者の稅額軽減や小規模宅地等の特例などがあります。

また、同じ土地を購入しても、土地の評価はさまざまです。100の評価がそのまま100の場合もあれば、100のものが50になる場合もあります。評価がどこで変わるのかということを理解しなければなりません。それが土地活用に繋がっていきますから。

I:大和ハウス工業とは協定企業として、どのようなパートナーシップを組まれていますか?

S:大和ハウス工業さんは、他社と違って私たちとプロジェクトを組んで、いろいろな部署、グループ內で連攜をしていただいています。他社では窓口の擔當者が中心になって動くので、ちょっと専門的なところがずれてしまうことがありますね。
不動産、建築に限らず、他に関連したことがあれば、全面的にお願いできるというのは、我々にとって大きな強みになります。
たとえば、不動産の買換えをしたいというお客様がいらっしゃった場合新たな不動産の取得から、従前の不動産の売卻まで、トータルで対応いただいています。これは本當に、他社にはない強みですよね。

會計事務所職員向けの研修會も積極的に開いていただいており、以前に比べるとスタッフの意識もかなり変わってきていると思います。現場でお客様と接するのは、やはりスタッフですので、スタッフが知識や情報を持って提案するだけでかなり違います。今日の午前中も、所得稅と譲渡所得についてスタッフ向け研修をやっていただきました。
また、資産稅の研修會だけではなく、大和ハウス工業さんにはいろいろな部署があるので、それぞれの部署で毎回、情報発信をしていただいています。これに関しても、スタッフへの情報提供がかなり進んできていると感じています。

また、お客様がいろいろ投資先を調べていて、「どっちがいいですか?」と聞かれることもあります。そういうときは、シミュレーションしなければ分からないことも多いのですが、大和ハウス工業さんに聞けばすぐに答えが出てきます。時価の算定にしても、フォローしていただけるので、すごく助かっています。何が一番良いのかということは、我々は正直いってわからないことも多いので、実際に現場を見てもらって、いろいろな提案を出していただいています。

I:やはり、お客様へのタイムリーな情報提供がカギとなりますね。

S:どうしても、私をはじめスタッフの仕事というのは後処理的なことが多いため、あらゆる機會を捉えて、いろいろな情報を発信していかなければならないと思っています。またそれが我々の本來の業務の一環です。
お客様は自分が望んだその時點での情報を欲しがるわけですから、我々が発信するのがずれてしまうと、お客様にとっては、全く情報をもらえないのと同じことになってしまいます。そうならないように、ひとつの情報だけではなく、いろいろな情報がある中で、バランスよく発信していかないと、お客様のニーズとずれてしまいます。
業界の情報あるいは稅についての情報は、個人に対しての情報もあれば、資産稅についての情報もあります。稅法だけでもさまざまな情報がありますから、あらゆるものを発信していくのは、簡単ではありません。
お客様への適切な情報提供を行うには、まずは入り口を適切に対応しなければならないと思っています。相談に來ていただければ、専門的なところに、一緒に連攜して動いていくことができます。たとえば、我々の業界でも、資産稅に専門的に特化している稅理士事務所もありますので、そういうところと組んで提案することも可能です。

I:お客様のニーズの幅というのが広く、お客様の本當に利益になるのか、お客様のためになるのかというところが、第一ということですね。

S:お客様のニーズは広いです。法人の関與先だけでやっていますといいながらも、社長様の個人の土地活用などへと業務の幅は広がっていきます。もちろん特定の業種に特化されている稅理士の先生もたくさんいらっしゃいます。
しかし、周辺業務はどうしても出てきますので、業務の幅は自然と広がっていきます。そういう意味では、我々は業態の専門家ではありませんので、稅務関係を通じてしかお客様を見ることはできません。稅務関係に関する情報だけの発信になってしまう危険性はありますが、できる限りお客様のことを理解して、お客様のためになるいろいろな提案ができるはずだと思っています。

ただ、稅金のご相談に來られるときは、すでに建築など決定されたあとに來られることが多く、稅金だけ先生に頼みます、という感覚で來られるお客様もいます。
そうなると、その後の対応についても、もっと早くご相談いただければよかったのに…ということは良くありますね。こうしておけば稅金はこうなったのに、といったことがかなりあります。そうなると、その時點でできる限りのことしかできません。仕方がない事ですが、それではお客様にとって最大の利益にはなりませんので、もっと我々がお客様に対して、事後処理としての稅金だけではなく、経営全體に関するコンサルティング業務としてアピールしていかなければならないと思っています。

I:決算書を見られただけで、ある程度の判斷ができると思いますが。

S:そうですね。相談會などでも、「どうすればいいですか」というご相談はあります。我々は第三者の立場として、決算書だけを見て判斷するのですが、「やめたほうがいい」と思うことは頻繁にあります。長いお付き合いのあるところであれば、逆に不動産のビジネスを本業にしたほうがいいのではないか、といったことまで提案したこともあります。
大和ハウス工業さんのPDBシステム(パーソナルデータベースシステム)なども併せて活用していただければ、資産をトータルに見て判斷していただくことができますし、そういう意味で、土地を殘す、殘さないを含めた最善の提案をすることができると思います。

I:土地をお持ちの方の資産全體、あるいは経営全般を見ての判斷、キャッシュのバランスであったり、財務のバランスであったりということを含めての判斷を行うということですね。

S:ある一面だけを見ればたしかに最適な土地活用法だということはあったとしても、視點を変え、様々な要素を含めて考えると、「これは違うのではないか」ということはあります。ですから、稅の面で見ても、法人稅だけなのか、所得稅だけなのか、あるいは資産稅、相続稅まで考えた上での、將來的なところで考えるのか、あるいは目の前の短期的な対策でいいのか、などによってまったく変わってきます。

それは保険についても同じようなことがいえます。生命保険など様々なものがありますが、結局我々が提案するのは、トータルに企業を守るものであるかということです。中小企業にとっては社長イコール會社ですから、企業を守るためには社長に萬が一あった場合にどうするのかというのは、やはり保険で賄うしかありません。それには何が最適なのか、ということです。その目的を勘違いされて、保険に入った後に、どうしようもなくなり使えなくなってしまった例もあります。その會社が支払い可能な保険料というのもあります。その範囲の中で、最適なものをいくつかご提案します。そういうことができるのが、やはり我々稅理士なのではないかと思います。

不動産についても同様です。いくつもの不動産をお持ちであれば、我々には様々な情報がありますから、その情報を駆使して提案することができます。 対策が短期なのか中期なのか長期なのか、それによっても変わってきます。正直、現在の稅制で30年40年先のことを対策しようとしても、なかなかできないと思います。稅制は変わりますから。

I:中小企業の社長が稅理士になんでも相談するように、一般の土地オーナー様にも、どんどん相談に來てほしいですね。

S:そう思います。多くの中小企業の社長はあらゆることを稅理士に相談されます。
我々にとっても本當に稅理士冥利に盡きるのですが、一般の方はそうでもありません。
稅理士の使い方を知らないと言いますか。我々の年代になると、相続の問題や登記の問題などが出てきます。我々稅理士には、司法書士などのネットワークも豊富ですし、いつでも相談に來ていただいてかまいません。
紹介の相談であれば、費用もそんなにかかりませんし、無料の相談會もあります。私のところでも最初の入り口の段階では無料でやっていますので、その辺をうまく使ってほしいですね。何でもいいのです。そこからどうしていくかはまた別の問題ですから。

たとえば不動産所得の確定申告をご自分で申告されている方の確定申告書を拝見することがありますが、結構勘違いされて申告されているケースがあります。せっかく優遇されるにもかかわらず、適用せずに申告されていたり、もったいないケースもあります。

I:もっともっと稅理士を活用していただきたいですね。お話しありがとうございました。

特集記事をチェック!

土地活用ラボニュース

土地活用法律コラム

家族信託?を活用した新しい財産管理と相続?認知癥対策

あなたはどっちの大家さん?! お金持ち or 貧乏

メールマガジン會員に登録して、土地の活用に役立つ情報をゲットしよう!

土地活用ラボ for Owner メールマガジン會員 無料會員登録

土地活用に役立つコラムや動畫の最新情報はメールマガジンで配信しております。他にもセミナーや現場見學會の案內など役立つ情報が満載です。


  • TOP

このページの先頭へ