CREコラム?トレンド
注目を集める駐車場シェアリングビジネス
公開日:2018/08/30
個人や企業(yè)が保有している駐車スペースを手軽に利用できる「駐車場シェアリング」が注目を集めています。都市部における駐車場不足の解消や郊外の量販店などで見かける駐車場空きスペースの有効利用、路上駐車による交通事故防止などの解決に一役買っているようです。
駐車場検索サイトの登場
2005年前後から登場したといわれる駐車場検索サイト。その背景には、インターネットの存在が大きく影響しています。全國に駐車場施設(shè)を持つ業(yè)界大手などが駐車場検索のWebサイトを立ち上げ、それをPCやスマホなどを使って、利用したい地域の空き狀況をリアルタイムに把握する人が増えてきました。
従來、駐車場はまず目的地に到著してから近隣の有料駐車場を探すのが一般的でした。しかし、こうしたサイトを利用して「どこが(目的地から)近いか」「どこが一番安いか」などを探し當(dāng)て、事前につかんで出発できるようになりました。一方で、車場検索サイトの登場は、地方にある駐車場経営の事業(yè)において厳しい競合狀態(tài)を生んだといわれています。
當(dāng)時の検索サイトは空き狀況や利用料を調(diào)べることはできても、予約することはできませんでした。既存の駐車場事業(yè)者が予約可能な駐車場を作る場合、その分のスペースを常時確保しておかなければいけません。そうすると、看板を見つけて利用しようと車がやってきても、予約に當(dāng)てているスペースは提供することができず、機(jī)會ロスが発生します。
大手ならば、100臺分のうち5臺くらいは予約スペースとして確保できるかもしれませんが、それでも基本的に時間貸しで成り立っている商売ですから、既存の事業(yè)者が新規(guī)に立ち上げるには収益を減らすリスクが伴いがちです。仮に參入するとすれば、マーケティングやシステム構(gòu)築などで新たな経費(fèi)が生じ、新規(guī)參入の負(fù)擔(dān)は軽くないでしょう。
「予約」が決め手になったシェアリングサービス
近年、利用したいときにだけ利用し、自ら所有しない「シェアリング」の考え方が普及してきました。自動車や衣服、宿泊施設(shè)など、シェアリングエコノミーは若年層を中心に確実に広がっています。そしてこのシェアリングの概念を事業(yè)に導(dǎo)入したのが、駐車場シェアリングのビジネスです。
數(shù)年前から新興のベンチャー企業(yè)や駐車場、不動産の業(yè)界大手が駐車場シェアリングのビジネスを手掛け始めています。成長の決め手は、なんといっても予約できる點(diǎn)にあります。検索サイトで目的地の近くにある駐車場の狀況が把握できても、利用できないならば情報の価値はゼロです。これをスマートフォンなどの攜帯情報端末を利用し予約できるようにしたのです。
利用できるスペースは個人が所有する駐車スペースや企業(yè)が保有地內(nèi)に持っているものなど多岐に渡ります。郊外においても、幹線道路に點(diǎn)在する家電や紳士服などの量販店のなかには利用されていない駐車場スペースがよく見られます。こうした遊休スペースをシェアリング運(yùn)営會社に提供すれば、多少なりとも利益を確保することができます。
低コストの維持管理費(fèi)も魅力の一つ
駐車場予約のシェアリングサービスでは、個人や企業(yè)が保有している駐車スペースを委託されて運(yùn)営する形態(tài)が一般的で、すぐにでも利用できます。參入障壁が低いのがメリットの一つです。
2014年から事業(yè)を開始したシェアリング大手は、紳士服販売大手と業(yè)務(wù)提攜して全國の郊外店にある駐車スペースを予約利用できるようにしています。利用者には各店で使える割引券(クーポン)を配布するなど、量販店の販売促進(jìn)にも一役買っているようです。シェアリングサービスは、スペースを有効利用して収益を上げたい企業(yè)と結(jié)びつく「マッチング」の効果も生んでいるといえるでしょう。
また近年、自動車を保有しないカーシェアリングも増えています。加えて、高齢者ドライバーのなかには免許を返納する人も多くなっています。シェアリングサービス運(yùn)営會社では、個人の保有する駐車場に対しても積極的に委託契約を結(jié)んでいますが、本格化している高齢化社會のなかで、免許返納者が遊休スペースをこうした事業(yè)者に提供し、手?jǐn)?shù)料を得ることができる仕組みは、注目に値するといえるのではないでしょうか。
IT大手が撤退も參入は続く?
2018年10月には、攜帯キャリアでIT大手が駐車場シェアリングのトライアルを開始しました。スマートフォンでカーナビのアイコンを觸ると行先までの経路が表示され、決済もスマホでできるなど、使い勝手の良い機(jī)能性に富んだサービスのようです。
ただ、別のIT大手は2017年2月に駐車場シェアリングに參入しましたが、2018年5月で終了しました。わずか1年あまりでの撤退は、事業(yè)の難しさを示すことにもなりました。気軽に利用でき、提供する側(cè)はわずかでも収入が見込めるのは素晴らしいことですが、監(jiān)視員がいるわけでなく、利用者の萬が一のトラブルに備えて近隣住民への配慮も欠かせないなど、細(xì)かい気配りが必要といわれています。
駐車場の確保は小売業(yè)など來店型ビジネスの企業(yè)にとって、決して軽い負(fù)擔(dān)ではありません。大手コンビニの中でも、土地の手當(dāng)て上、駐車スペースが極端に狹い店があります。一方で、飲食チェーンも平日ならば駐車スペースは空いています。來店客數(shù)を最大に見積もって駐車スペースを確保すれば、平日ガラ空きという結(jié)果になりやすいもの。しかし、來店客數(shù)を最大化してスぺースを確保しておかなければ、いざというときに足りないでは済まされないのです。
駐車場という不動産は、企業(yè)にとってコントロール(調(diào)整)しにくいものです。こうした悩みを解消する一つの手段としても、駐車場シェアリングの存在は今後ますますクローズアップされていくのではないでしょうか。