空き家対策が加速しそうです。「空き家対策特別措置法」における優(yōu)遇稅制の廃止などを盛り込んだ改正案が閣議決定されました。また京都市は早ければ2026年にも新稅となる「空き家稅」の導(dǎo)入に向けての準(zhǔn)備を進(jìn)めています。

「管理不全空家」で増稅の可能性？

わが國では、2011年の東日本大震災(zāi)で生じた所有者不明問題などを契機(jī)に「空き家法」が制定され、2015年に倒壊のリスクや不衛(wèi)生な狀態(tài)の「特定空家」に対して修繕や解體、立木などの伐採を命じる強(qiáng)制措置を盛り込んだ「空き家特別措置法」が施行されました。さらに2019年には耐震基準(zhǔn)に適合した改築、または解體後に更地にして売卻しやすくした場合は譲渡所得（上限3000萬円）を特別控除する稅制改正も実施されました。

今回の改正法では、強(qiáng)制措置の対象となる物件を「特定空家」から、その前段階で緊急の危険性がないと思われる場合でも「管理不全空家」に指定し、改善されない場合は固定資産稅の減額措置を適用しないなど対象範(fàn)囲の拡大と優(yōu)遇措置の解除で空き家対策を強(qiáng)化するとみられています。

対策が強(qiáng)化される背景には、空き家を活用する意向はあっても現(xiàn)実に活用に向けた動(dòng)きになっておらず、日頃の管理も十分ではない放置空き家が相當(dāng)數(shù)に上っているとの國の判斷があります。國土交通省の調(diào)査では、居住目的のない空き家は1988年に182萬戸、2018年に349萬戸と増加。2030年には470萬戸に増えると予測しています。管理不十分の空き家は周辺の環(huán)境に悪影響を及ぼすため、個(gè)人の問題から地域全體の課題になっており、特定空家になってからの対応では限界があると國自ら認(rèn)めた格好です。

対策は「発生抑制」、リバースモーゲージ活用も

改正法案は、國交省の「空き家対策小委員會(huì)」が今年2月に取りまとめた報(bào)告書をベースにすると見られます。報(bào)告書によると今後の空き家対策は、「（1）発生の抑制」「（2）活用促進(jìn)」「（3）適切な管理?除卻」の促進(jìn)―の3つを掲げています。発生の抑制では、住居の所有者が死亡後もなるべく空き家にしないため自宅の取り扱いを家族全體で考えるよう、高齢と思われる所有者に対して周知することを基本的方針とし、いわゆる「終活」の一環(huán)として空き家化させない意識(shí)の醸成にポイントを置くことを求めています。

注目されるのは「住宅ローンの逆バージョン」ともいわれるリバースモーゲージの活用?円滑化を挙げている點(diǎn)です。所有者によっては自宅を生前に擔(dān)保化?現(xiàn)金化して生活資金に充てるニーズがあり、この場合所有者の死後も住宅が空き家となる可能性は低いとされています。空き家対策で小委員會(huì)は今回初めてリバースモーゲージに言及し、類似した「ハウスリースバック」（自宅売卻後に賃貸契約を結(jié)んで住み続けること）に対しても活用を勧めています。リバースモーゲージは、借主が生存中に物件の擔(dān)保価値が下落した場合に融資額の見直しリスクが生じるなど利用に際しての注意が必要です。また契約対象は戸建住居が多くマンションは対象外であるなど、利用を促進(jìn)する場合には國がこうしたメリット?デメリットを明示することが求められます。

（2）の活用促進(jìn)では、住居を相続する人への働きかけや相続時(shí)の譲渡促進(jìn)を挙げています（図1）。自治體やNPOが相続人に対して空き家リスクを周知徹底し、空き家の実情を把握する擔(dān)當(dāng)部局と戸籍を扱う部局が連攜して誰が相続人なのかを事前に把握しておくことを重視しています。空き家では、相続人が遠(yuǎn)隔地に所在しているために連絡(luò)が取れないことがネックになっていることが往々にしてあります（図2）。自治體における空き家対策のグリップが緩いのは、こうした連攜不足にもその原因の一端があります。（3）の適切な管理?除卻の促進(jìn)は、自宅所有者に対して活用困難な空き家の除卻支援などを盛り込むものと見られています。

図1：空き家の取得経緯

出典：社會(huì)資本整備審議會(huì)?住宅宅地分科會(huì)「空き家対策小委員會(huì)とりまとめ參考データ集」（國土交通省住宅局　2023年2月）

図2：空き家の所在地と所有者の居住地の関係

出典：社會(huì)資本整備審議會(huì)?住宅宅地分科會(huì)「空き家対策小委員會(huì)とりまとめ參考データ集」（國土交通省住宅局　2023年2月）

図3：空き家所有世帯の家計(jì)を支える者の年齢

出典：社會(huì)資本整備審議會(huì)?住宅宅地分科會(huì)「空き家対策小委員會(huì)とりまとめ參考データ集」（國土交通省住宅局　2023年2月）

京都市が空き家稅導(dǎo)入　その狙いは？

2023年3月下旬、京都市が早ければ3年後にも「空き家稅」を?qū)毪工毪趣螆?bào)道がありました。住居人のいない空き家や別荘など、人が住んでいない住宅に課稅することで居住や売卻を促す全國初の試みとして注目が集まっています。自治體行政を統(tǒng)括する総務(wù)省の大臣がこの導(dǎo)入案に同意したことで、京都市は2026年以降に空き家稅を施行する方針とみられています。

京都市では2021年の1年間だけで人口が1萬人以上減り、全國の自治體で最も多い減少數(shù)になりました（総務(wù)省の「人口動(dòng)態(tài)調(diào)査」による）。一方で観光地としての魅力、景観の良さなどから投資目的の不動(dòng)産購入が増えて地価が高騰、住宅不足や購入しづらい狀況になっています。空き家に課稅することで売卻や賃貸を促して住宅供給の一助とし、あわせて稅収の増加に繋げる狙いもあるようです。空き家が増加して各地で社會(huì)問題になる中、京都市のこうした動(dòng)きには、全國の自治體も注視しているのではないでしょうか。