2012/03/21
報道関係各位
■大和ハウスグループの“農業の工業化”第一弾植物工場ユニット「agri-cube(アグリキューブ)」販売開始 |
大和ハウス工業株式會社(本社:大阪市、社長:大野直竹)は、大和ハウスグループの “農業の工業化”第一弾商品となる植物工場ユニット「agri-cube(アグリキューブ)」の販売を、2012年4月5日より、商業施設向けに開始します。
住宅業界で植物工場ユニットを販売するのは、當社が初めてとなります。
當社が販売する「agri-cube」は、これまで永年培ってきた建築の工業化の技術を駆使し、大和ハウスグループの大和リース株式會社(本社:大阪市、社長:森田俊作)と共同で新たに開発したユニット式建物に、野菜の生育狀況にあわせて一定の光を當てることができる「照明器具昇降システム」、栽培棚の清掃をスムーズにできる「養液循環?排水システム」、エアコンなどの設備機器を組み合わせ、パッケージ化したユニット商品です。
今回、新たに開発した獨自技術を商品化し、外食産業向けに野菜を育てることができる小規模サイズの植物工場を販売していくことになりました。將來的には、ビジネスホテルや高級レストラン、分譲マンション、コンビニエンスストア等でも利用できる小規模サイズの植物工場を開発、販売していく予定です。
今後、當社流通店舗事業を通じて、外食産業に対して提案していくとともに、農業分野の商品開発や事業活動を、將來の當社における基幹事業に育て、日本の食料自給率の向上と農業を支えていきます。
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1.商品特長 今回販売する「agri-cube」は、ユニット式建物内で葉菜類を中心に野菜を水耕栽培できる平屋建の植物工場ユニットです。 レストランやホテル、老人保健施設、給食センター、学校などで、お客さまに採りたての新鮮な野菜を提供したいと考えている企業および事業者が、「agri-cube」により、安全・安心で安定した品質の野菜を簡単に生産することができます。 設備面では、栽培棚、エアコン、全熱交換機(換気システム)、蛍光灯照明などの機器をパッケージ化しました。性能面では、屋外設置ができるように外壁には防錆塗装を施すとともに、最適な植物生産環境を保つために、床・壁・天井には断熱材を充填することで、小規模ユニットと比べて断熱性能を約5倍(※1)向上させました。 施工面では、工場で全て事前に組み立てるため、最短1日(※2)で設置でき、床面積を10㎡以下としたことで建築確認申請の手続きが不要(※3)となります。 ※1.大和リースが販売するユニットとのQ値(熱損失係数)での比較。 ※2.電気、給排水工事を除いた日数。設置場所によっては1日で設置できない場合があります。 ※3.防火地域および準防火地域外において増築・改築する場合。
2.2つのタイプを用意 お客さまがデザイン性やコスト面で商品を選択できるよう、高級タイプ「agri-cube E(アグリキューブ イー)」と標準タイプ「agri-cube S(アグリキューブ エス)」の2タイプを用意しました。どちらの商品もオプションで太陽光発電パネル(1kW)を設置することができます。
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(1)「agri-cube E」 「agri-cube E」は、当社の独自技術である「照明器具昇降システム」、「養液循環・排水システム」を標準仕様としました。 デザイン性も考慮し、植物工場には見えないスタイリッシュな外観デザインとし、小窓(※4)から野菜を“自産”していることをPRすることができます。 ※4.オプション対応。
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(2)「agri-cube S」 「agri-cube S」は、植物の生産に特化した企業向けにシンプルな外観デザインとしました。栽培棚、エアコン、全熱交換機(換気システム)、蛍光灯照明、シンクを標準で装備しています。
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3.農業生産効率を高める技術を独自に開発、採用 高級タイプ「agri-cube E」には、当社の総合技術研究所で新たに開発した「照明器具昇降システム」、「養液循環・排水システム」を導入しました。 |
(1)「照明器具昇降システム」 栽培棚の上部に設置した照明を、手動で上下に動かすことができる「照明器具昇降システム」を開発しました。 野菜の生育状況を見ながら一定の照度を当てることができるため、「agri-cube S」に標準搭載した照明システムと比べて、消費電力を約20%削減することができます。
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(2)「養液循環・排水システム」 水耕栽培の場合、養液(液体肥料)を含んだ一定の水質を保持することが重要となります。そのため、棚ごとに排水経路を設けた「養液循環・排水システム」を開発しました。 本システムを導入したことで、棚ごとに排水を行うことができ、栽培中でも栽培棚ごとに清掃できます。
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●栽培棚の配置図(イメージ) |
4.「agri-cube」による農作物の生産 「agri-cube」では、主に葉菜類(レタス、ミズナ等)、ハーブ類(パセリ、ルッコラ等)、中国野菜(チンゲンサイ等)を中心に、23種類の野菜を年間約1万株(※5)収穫できます。また、一般的に販売している種子や水耕栽培用の肥料を利用することができるため、簡単に野菜を栽培することができます。 リーフレタスの場合、種から約42日かけて栽培します。種を培地となるスポンジ(1株あたりのサイズ:幅23 mm×奥行き23 mm×高さ28 mm)に蒔き、栽培棚下部の暗所で約3日かけて発芽させ(播種~発芽工程)、照明下で約4日かけて育てます(育苗工程)。その後、栽培プレートに植えかえ、約35日かけて栽培します(定植・移植工程)。 ※5.リーフレタスの場合、1日あたりの生産株数は約30株となります。年間365日生産すると、約1万株生産できる計算になります。ただし生産する品種によって生産量は異なります。
●植物生産栽培工程(リーフレタスの場合) |
●栽培棚ごとのゾーニング |
5.大和ハウスグループでの一貫生産・アフターサービス 今回、グループ会社の大和リースの滋賀水口デポ工場でユニットの製造を行い、大和ハウス工業では「agri-cube」の販売・アフターサービスを行うとともに、種苗などの消耗品の斡旋を行います。 将来的には、大和ハウスグループ全体で連携した農業事業活動を行っていきます。
■農業事業参入への経緯 当社は1955年、「建築の工業化」を企業理念に創業し、創業商品「パイプハウス」、1959年にはプレハブ住宅の原点「ミゼットハウス」を開発・販売。その後、様々な商品を世に送り出し高度経済成長期の建築・住宅需要を支えてきました。 農業関連の建築では、1968年、米殻倉庫である「ダイワエンターローリー」の開発・販売や、食品関連企業向けに食品施設を企画・設計・施工するなど、お客さまの多様なニーズに応えてきました。 現在、当社グループは創業100周年を迎える2055年までに売上高10兆円の企業群を目指すべく、国内市場のみならず、グローバルマーケットを見据えた事業展開を図るとともに、将来の生活に関わる様々な事業分野「フ(福祉)・カ(環境)・ケ(健康)・ツ(通信)・ノ(農業)」を創出すべく、事業領域の拡大を図っています。 そのような中、2008年より、農業生産の効率化と工業化、日本の食料自給率の向上を図るべく、農業分野への参入の検討に入りました。 2009年4月には、「第26回全国都市緑化おかやまフェア おかやま花だより2009」での農業モデル棟の展示を皮切りに、2009年8月には、経済産業省の「先進的植物工場推進事業」に申請し、実験用プロトタイプを開発。その評価検証を商業施設・関西国際空港等で行ってきました。 そして今回、植物工場ユニット「agri-cube」として完成・販売することになりました。販売開始を機に、より積極的に「農業の工業化」を推進していきます。
●経済産業省の「先進的植物工場推進事業」での実験用プロトタイプ
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■商品概要
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「agri-cube E」 |
「agri-cube S」 |
「agri-cube」の設置風景 |
栽培室 |
以上